病院再編の逆風、想像超える 兵庫・三田市長選落選の現職森氏、必要性訴えるも「理解されなかった」

敗戦の弁を述べる森哲男氏=三田市三輪4(撮影・村上貴浩)

 市民病院の再編統合に対する逆風をまともに受けた。3期目を目指した無所属現職の森哲男氏(71)は激戦の末に涙をのみ「市民病院の問題が説明不足だった。市民に理解されなかったことが唯一の敗因だと思う」と悔しさをにじませた。

 1期目は行財政改革に追われ、2期目は新型コロナウイルス禍で思うように施策を推進できず。「宿題が残っている。自分が担わないと無責任」と年末年始に熟慮し、3月に立候補を表明した。

 急性期医療の維持や医師確保のため、三田市民病院の再編統合の必要性を訴えてきた。「市民の命を守り抜くため。他に選択肢はない」。跡地活用についても、子どもの総合的な医療福祉センターの設置など具体案を提示した。

 6月の決起集会には大臣ら約250人が集結したが、告示後の個人演説会は座席が埋まらず熱気に欠けることも。「想像以上に厳しい」。危機感を募らせた陣営は自民や公明を中心に総力を挙げた組織戦を展開したが、相手陣営の勢いを止められなかった。

 今後の三田について「新たなリーダーのもとで出発してほしい」と力なく語った。(橋本 薫)

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