7月23日、ダブルヘッダーレースとして行われるNTTインディカー・シリーズ第12戦アイオワの決勝レース2がアメリカ・アイオワ州アイオワスピードウェイで行われ、ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)が優勝を飾った。
チップ・ガナッシ・レーシングから参戦する佐藤琢磨は13番手からスタートしたが、141周目にウォールにヒットし25位でレースを終えている。
ダブルヘッダーの2戦目となる第12戦。前日とは打って変わって気温30度、路面温度は48度にまで上昇したレース2は、ポールポジションのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)を先頭に250周の決勝がスタートした。
好スタートを決めたのは前日の第11戦で4位となったマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ)。10番手から7台をオーバーテイクし、3番手にポジションを上げた。
13番手スタートの佐藤琢磨は、3台に先行を許し16番手に順位を落としての幕開けとなる。
レース開始から16周、1周約18秒のアイオワスピードウェイでは瞬く間にバックマーカーが現れ出した。
31周目、3番手に順位を上げていた前日の勝者ニューガーデンが、トップ争いを繰り広げるパワーとスコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)のインに飛び込む。
そのままニューガーデンは2台をまとめてオーバーテイクし、トップに躍り出た。
ポールスタートのパワーはペースに伸び悩む様子で、その後後続にもオーバーテイクを許し順位を下げてしまう。
37周目には、11番手からのスタートでジャンプアップを果たしていたパト・オワード(アロウ・マクラーレン)が3番手に浮上している。
レース前に「アンダーカットを狙っていきたい」とコメントしていた佐藤琢磨は、54周目に1度目のピットストップへ向かう。
先頭集団は、55周目に1度目のピットインへ。ニューガーデンはそのままトップでコースへと復帰する。
ピットストップを終えたタイミングでは、9番手スタートのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)が3番手へとポジションアップに成功。
2スティント目になると、ニューガーデンがバックマーカーを素早く処理しながら周回を重ね、徐々に2番手マクラフランとの差を広げ始める。
そのリードを約6秒へと広げた88周目、13番手を走行していたアグスティン・カナピノ(フンコス・ホーリンガー・レーシング)がアンダーステアでラインを膨らませてウォールにヒット。
レースは1度目のイエローコーションが導入された。
このタイミングで、ニューガーデンを先頭にトップ集団は2度目のピットインを選択する。
またこのイエローコーションにより、17番手走行中で周回遅れとなっていた佐藤琢磨はラップバックし、同一周回へと戻っている。
レースは107周目に再開。6番手から順位を上げたのはポールスタートのパワー。ディクソンとエリクソンをオーバーテイクし3番手へポジションアップに成功した。
118周目には、ニューガーデンらトップ集団は再びバックマーカーに追いつき始める。
以降は各車が順調に周回を重ねていくが、迎えた141周目。17番手を走行していた佐藤琢磨がウォールにマシンを擦ってしまい、リヤセクションにダメージを負ってピットへ。
その後チームはマシンに修復を施し、佐藤琢磨はレースへ復帰を果たしている。
148周目になると、先頭集団は3度目のピットストップへ。ここで、145周目にピットインを済ませていたオワードがアンダーカットに成功し3番手に浮上した。
157周目には、ピットインを終え25番手でコースに復帰していたスティング・レイ・ロブ(デイル・コイン・ウィズ・RWR)のリヤタイヤが脱輪するアクシデントが発生。
外れたタイヤはコース上を転がり、レースは2度目のイエローコーションが導入された。
スロー走行中、ピットオープンとなった164周目に2番手のマクラフランと4番手オワードが4度目のピットインへ向い、9、10番手でコースに復帰。トップのニューガーデンはピットインを行わなかったため、先頭集団は作戦が分かれる展開となった。
レースは168周目に再開。リスタートでは、コルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート)がオーバーテイクを決め3番手に浮上する。
しかし179周目にフェリックス・ローゼンクビスト(アロウ・マクラーレン)がハータをオーバーテイクし3番手を奪取した。
ピットインを行ったマクラフランは、9番手から6番手にポジションアップ。182周目には4番手に浮上し首位のニューガーデンを追っていく。
196周目、トップのニューガーデンとパワーは4度目のピットインへ向かう。
ニューガーデンはポジションを守り切るも、1周早くピットへ向かっていたローゼンクビストがパワーをアンダーカットして2番手へとポジションアップを果たした。
そのまま首位浮上を狙うローゼンクビストだったが、バックマーカーが入り乱れるなかをニューガーデンがハイペースで快走。
そのまま首位ニューガーデンは、残り周回が25周を切ったタイミングで4.8秒のリードを築いた。
しかし、レース残り10周となったタイミングで突如レースは3度目のイエローコーションが導入となる。原因となったのは、20番手を走行していたライアン・ハンター-レイ(エド・カーペンター・レーシング)。
レース前半のカナピノと同様、アンダーステアからウォールにヒットし、スロー走行でピットへと向かった。
レースは残り3周で再開となる。リスタートでパワーとアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ)が2番手、3番手へとポジションアップに成功した。
落ち着いてリスタートを決めたニューガーデンはそのままトップチェッカーを受け、前日の第11戦に続く2連勝を飾った。2位にはパワー、3位には12番手スタートのパロウが入った。
■NTTインディカー・シリーズ第12戦アイオワ決勝レース結果(編集部集計)
Pos. No. Driver Team Engine Laps SP
1 2 J.ニューガーデン チーム・ペンスキー C 250 7
2 12 W.パワー チーム・ペンスキー C 250 1
3 10 A.パロウ チップ・ガナッシ H 250 12
4 6 F.ローゼンクヴィスト アロウ・マクラーレン C 250 16
5 3 S.マクラフラン チーム・ペンスキー C 250 2
6 9 S.ディクソン チップ・ガナッシ H 249 9
7 26 C.ハータ アンドレッティ・オートスポート H 249 5
8 18 D.マルーカス デイル・コイン・ウィズ・HMD H 249 3
9 8 M.エリクソン チップ・ガナッシ H 249 10
10 5 P.オワード アロウ・マクラーレン C 249 11
11 27 K.カークウッド アンドレッティ・オートスポート H 249 17
12 28 R.グロージャン アンドレッティ・オートスポート H 249 20
13 45 C.ルンガー レイホール・レターマン・ラニガン H 249 21
14 77 C.アイロット フンコス・ホーリンガー・レーシング C 248 24
15 7 A.ロッシ アロウ・マクラーレン C 248 18
16 06 H.カストロネベス メイヤー・シャンク・レーシング H 248 8
17 60 C.デイリー メイヤー・シャンク・レーシング H 248 15
18 21 R.ヴィーケイ エド・カーペンター・レーシング C 248 14
19 30 J.ハーベイ レイホール・レターマン・ラニガン H 247 22
20 15 G.レイホール レイホール・レターマン・ラニガン H 247 6
21 29 D.デフランチェスコ アンドレッティ・スタインブレナー H 246 19
22 14 S.フェルッチ A.J.フォイト・レーシング C 245 27
23 33 E.カーペンター エド・カーペンター・レーシング C 244 4
24 20 R.ハンター-レイ エド・カーペンター・レーシング C 237 25
25 11 佐藤琢磨 チップ・ガナッシ C 237 13
26 78 A.カナピノ フンコス・ホーリンガー・レーシング C 236 23
27 55 B.ペデルソン A.J.フォイト・レーシング H 193 28
28 51 S.R.ロブ デイル・コイン・ウィズ・RWR H 152 26