ポロシャツとハーフパンツ

 約40年前、東京で過ごしていた学生時代。アパートの部屋にエアコンはなかった。ほとんどの友人たちも同様。暑かった。でも、暮らせてはいた。共感できる人も少なくないのではなかろうか▲厳しさを増すばかりの猛暑。熱中症のニュースは後を絶たない。学校や会社などに冷房は不可欠な時代。多くの専門家も「就寝中もエアコンはつけておくべき」と説く▲一方で各所に「冷房は27度以上」などのルールもある。SDGsの観点からは推進すべきなのだが、そうも言っていられないときもある▲この現状を受けて、佐賀県嬉野市の県立嬉野高が画期的な取り組みを始めた。先月から半袖ポロシャツとハーフパンツの夏服を導入。佐賀県内の高校でハーフパンツは初めてで、生徒からは「通気性が良く快適」と好評を得ている。高価でもない。ポロシャツとスラックス、スカートの組み合わせも自由だ▲長崎県内にも男子のハーフパンツを認めている創成館高など、先進的な高校もある、だが、大多数の高校の男子生徒はスラックス。もちろん、短パンの会社員など会ったことはない▲長ズボンで通学する、ジャケットを着て会議に出る…。常識かもしれないが、SDGsの時代に合った常識なのだろうか。猛暑の中、外出先で汗をぬぐいながら、空を見上げる。(城)

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