佐野からお化けゾクゾク“出動” お化け屋敷の設営準備作業大詰め 丸山工芸社

県内外のお化け屋敷に搬入するために行われた人形の最終点検=24日午前10時20分、佐野市田沼町

 梅雨明け後の夏本番を迎え、お化け屋敷の企画・運営を手がける栃木県佐野市田沼町の丸山工芸社で、人形制作など設営の準備作業が大詰めを迎えている。

 1922(大正11)年創業の同社は「浅草花やしき」や「後楽園ゆうえんち」のお化け屋敷にも携わった。2019年以降、火災や台風、新型コロナ禍と3度の苦境に立たされたが、コロナ禍の落ち着きに伴い、今年は5年ぶりに夏本来の忙しさを取り戻している。

 同市内外の4施設から依頼を受け、6月から制作を開始。人形は新作20体を含む計60体を仕上げた。24日は、群馬県太田市の「ぐんまこどもの国」へ搬入する資材の運び出しや妖怪人形の点検を行った。

 「佐野の生人形(いきにんぎょう)」で県の伝統工芸士に認定されている制作歴50年の柳誠(やなぎまこと)社長(78)は「時間に追われて作業できることに喜びを感じる。インパクトを残せる人形や仕掛け作りに力を入れたい」と話していた。

お化け屋敷への出荷を待つ人形=24日、佐野市田沼町

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