【ミャンマー】民主派政府、独自の金融機関を新設[金融]

ミャンマーの民主派でつくる挙国一致政府(NUG)はこのほど、独自の金融機関「スプリング・デベロップメント・バンク」を設立した。NUGの全額出資で、ブロックチェーン(分散型台帳)を用いて資産保護のための高いセキュリティ能力を持つのが特徴。独自に金融機関を設けることで、国民などの保有資金の軍政への流入を阻止するとともに、民主派が安全に資金調達を行う狙いとみられる。

20日に開催された記者会見で概要が明らかになった。スプリング・デベロップメント・バンクは22日から1,000人を対象に試験的に業務を開始。8月下旬には正式なサービスを開始する予定で、当初半年で10万人の利用者獲得を目指す。

スプリング・デベロップメント・バンクが提供するサービスは、第1段階が定期預金や外貨両替、国外送金など。定期預金では、現地通貨チャットに加え、米ドル、シンガポールドル、タイバーツも受け入れる。18歳以上を対象に口座開設を受け付けることにしており、利用者が預け入れた現金はNUGが設立した中央銀行の機能を持つ暫定組織が保証するという。

第2段階では、デビットカードを発行し、加盟店も募集する計画だ。

NUGは6月1日、中銀の機能を持つ組織を計画・財務・投資省の監督下で暫定的に設立する条例を布告。新組織は中銀として、金融機関の監督や許認可などの業務を手がけると発表していた。スプリング・デベロップメント・バンクは、この暫定中銀から銀行・金融の営業許認可を得て設立された。

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