谷防災相「できる限り支援」 豪雨災害受け県視察

赤池市議が亡くなった家屋倒壊現場を視察する谷防災相(右から2人目)=南砺市砂子谷

  ●知事、激甚指定など要望

 6、7月に富山県内を襲った豪雨災害を受け、谷公一防災担当相は24日、富山入りし、被害の大きかった立山町白岩と南砺市砂子谷を視察した。富山市の県防災危機管理センターで、新田八朗知事から激甚災害の早期指定などに関する緊急要望を受け取った谷防災相は「できる限りの支援を政府一体となって取り組む」と述べ、被災者が一日も早く元の生活を取り戻すよう尽力する考えを示した。

 県防災危機管理センターで行われた意見交換には新田知事、山本徹県議会議長のほか、大雨でのり面崩落や浸水といった被害が確認された10市町村の首長が出席。谷防災相に対し、激甚災害の早期指定や防災士の確保などを求めた。

 新田知事は、800軒を超える家屋への浸水被害に加え、河川や道路などの公共土木施設、農地や林道に被害が発生し、県民生活に大きな影響が出ていると指摘し「早期の支援について格別の配慮をいただきたい」と訴えた。

 谷防災相は、激甚災害の指定は被害額が一定の基準に達した場合に手続きを取ると説明し「各首長はそれぞれの被害の状況を、県を通じてできる限り早く報告してほしい。それが指定に関わる」と呼び掛けた。

 緊急要望について谷防災相は「内容は全国の各自治体と重なるところがある。しっかり受け止めて、できる限り応えられるよう努力したい」と述べた。終了後、報道陣の取材に答えた。

 谷防災相は、意見交換前に行われた現場視察で、6月28日の局地的豪雨で白岩川の堤防が決壊し、水田に土砂が流入した立山町白岩で応急復旧の状況を確認した。舟橋貴之町長、上田英俊衆院議員らが案内した。

  ●犠牲の赤池市議悼む

 今月12~13日の大雨で土砂崩れが発生した南砺市砂子谷では、住民に避難を呼び掛けていた同市議赤池伸彦さん(65)=同市高窪=が亡くなった現場を訪れ、田中幹夫市長らと頭を下げて死を悼んだ。

 谷防災相は意見交換の冒頭、赤池さんが亡くなったことに触れ「議員のかがみのような方だと思っている」と述べた。

 ★激甚災害 道路や河川、学校、福祉施設、農地などが幅広く対象になり、被害額が一定基準を超えた場合に政府が指定する。地域を特定しない「激甚災害(本激)」と市町村単位で指定する「局地激甚災害(局激)」があり、国の補助率がかさ上げされる。

新田知事(左から7人目)から要望書を受け取る谷防災相=富山市の県防災危機管理センター

© 株式会社北國新聞社