警察到着まで“時間稼ぎ”を指示 郵便局員2人が「還付金」相談女性の詐欺被害防ぐ 姫路

感謝状を受け取った曽谷知宏さん(左)と菅谷公子さん=姫路市網干区新在家

 郵便局を訪れた女性から相談を受け、還付金詐欺を未然に防いだとして、兵庫県警網干署は、姫路網干郵便局長の曽谷知宏さん(31)と同局員の菅谷公子さんの2人に、署長感謝状を贈った。

 同署などによると、4月25日午後2時半ごろ、来局した60代女性から「市役所職員を名乗る男から、父の保険の還付金があると言われた」と相談を受けた。直後に、女性の携帯電話にゆうちょのコールセンターを名乗る男から「遠隔操作で手続きするのでATMに」と、送金するよう誘導する電話があったという。

 「還付金と聞いてピンときた」。詐欺だと直感した曽谷さんは菅谷さんに、警察に連絡するよう指示。菅谷さんが網干署に通報した。警察が到着するまでの間、女性に「疲れたから休憩したい、と言って引き延ばして」などと書いたメモを渡して、時間を稼いだ曽谷さん。通報から約10分後、同署員が到着。電話を代わると通話は切れたという。

 曽谷さんは「女性が相談してきてくださったので、こちらも対応できた」と安心した様子。菅谷さんも、「局長の指示に従っただけ。被害を防げて何より」と話した。(成 将希)

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