長崎大のBSL4 年2カ月は定期点検 期間中は実験を停止 稼働に向け方針示す   

定期点検の方針などが報告された地域連絡協議会=長崎市坂本1丁目、長崎大高度感染症研究センター

 長崎大は24日、エボラウイルスなど危険な病原体を扱う感染症研究施設「バイオセーフティーレベル(BSL)4」の運用について、1年のうち2カ月間は実験を停止し、定期点検を行う方針を明らかにした。現在、稼働に向け準備を進めており、安全運用について意見を交わす地域連絡協議会の初会合で報告した。
 同協議会は地元自治会長、同大、県、長崎市、学識経験者ら23人で構成。議長は森内浩幸長崎大高度感染症研究センター副センター長が務める。
 感染症法の施行規則では、同施設について年1回以上の定期点検を義務付けている。同大によると、定期点検を安全・確実に行う手順は年度内に策定予定。災害事故発生時のマニュアルの作成にも着手しているという。
 同大は2016年5月から感染症研究拠点整備に関する地域連絡協議会を44回開いてきたが、同施設を備えた同センター実験棟が21年7月に完成。今回から名称を「長崎大学高度感染症研究センター実験棟の運用に関する地域連絡協議会」に変更。施設運用や安全対策、災害時対策などについて協議を進める。
 同施設を運用するためには国の指定が必要だが、指定時期は決まっていない。

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