4年ぶり歌声一堂に 矢板東高・付属中合唱コンクール 台風被害、コロナ禍越え

那須野が原ハーモニーホール大ホールで開かれた合唱コンクール

 【矢板・大田原】矢板東高と付属中は20日、大田原市本町1丁目の那須野が原ハーモニーホール大ホールで、4年ぶりに全生徒が一堂に会する合唱コンクールを開いた。台風や新型コロナウイルスの影響を受け、中止や開催方式の変更を余儀なくされていた。生徒は、中1から高3の年の差を超え鼓舞し合う一貫校のよさなどをかみしめた。

 2019年度のコンクール後、それまで利用していた矢板市文化会館が同年10月の台風19号被害で使えなくなり、20年度は中止した。21、22年度は校内で開催したものの、一つの教室で1学級ずつ入れ替わりで発表し、映像を各教室に配信するなどの措置を取った。

 本年度は中学の1学年2学級、高校の1学年4学級の約670人が参加。学級ごとに練習を重ねた「道」「次の空へ」「栄光の架橋」「二十億光年の孤独」などを歌い上げ、多くの保護者も詰めかけた。

 付属中生徒会長の3年柿沼実來(かきぬまみらい)さん(14)は「みんなと歌えてうれしかった」と笑顔。高校生の姿に触れ「あの背中を追っていけば、なりたい自分になれると思う」と語った。

 コンクール実行委員長の高校3年三嶋心花(みしまみはな)さん(17)は「中学生が一生懸命に練習している姿に『自分たちも頑張らなきゃ』と思った」と話す。コンクール中はずっと舞台におり「中学生とも高校生とも励まし合った。楽しかった」と振り返った。

 コロナ禍の局面が変わる中、悩みながら学校活動を回復させてきた。付属中の高崎健治(たかさきけんじ)教諭(38)は「大舞台に生徒がわくわくしているのが分かった。コンクールで一貫校のよさを取り戻せた」と話した。

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