接触で車体が跳ね上がり、シートが割れるほどの衝撃を受けたオコン「後方でレースをした結果だ」/F1第12戦

 エステバン・オコンは、F1第12戦ハンガリーGPでのアルピーヌの破滅的なダブルリタイアは、F1の中団グループの真っ只中でレースをスタートしたことによる不運な結果だったと述べている。

 オコンとチームメイトのピエール・ガスリーは、それぞれ12番グリッドと15番グリッドに並んだ。スタート直後に最初のコーナーに向かうところで、ふたりは速度が遅い周冠宇(アルファロメオ)に追いついてオーバーテイクした。周のマシンはライトが消えた時に、グリッド上でアンチストールが作動してしまっていた。

 ターン1に進入するところで周はロックアップして、アルファタウリのダニエル・リカルドのマシン後部に接触した。そしてリカルドはオコンと接触し、オコンは押される形になって僚友のガスリーのアルピーヌマシンに接触した。オコンの車体は浮き上がって激しく叩きつけられ、カーボン製のシートが壊れてしまった。2台のアルピーヌはピットレーンに戻ることはできたが、チームが損傷の評価を迅速に行った結果、ふたりともリタイアを余儀なくされた。

2023年F1第12戦ハンガリーGP スタート直後の接触でダメージを負ったピエール・ガスリー(アルピーヌ)

「僕たちはターン1でアタックされた」とオコンは説明した。

「後方にいた周がミスをしたんだ。それが大きな衝突につながった」

「わからないけど、リヤホイールが3メートルか4メートルくらい浮き上がった。着地した時にすごい衝撃があった。僕のシートはふたつに割れてしまったんだ! それで衝撃がどれほど大きかったのかわかる」

「残念ながら、その後で2台ともリタイアになった。これは後方でレースをしていたことの結果だ。誰もがより多くのリスクを取る傾向がある。そのことはわかっていたし、今日はそれに苦しめられた」

「来週もレースへ向かうのでうれしいよ。この週末のことを早く忘れられるからね」

 アルピーヌF1のチーム代表オットマー・サフナウアーは、このインシデントでマシンが負ったダメージや、ターン1でまるで“ボウリング”のような大きな衝撃を受けてオコンのシートが損傷したことに驚かなかった。

「シートは軽量のカーボンでできているので、ある方向から打撃を受けると割れてしまう」

「1台のマシンが他のマシンに衝突する複合的な効果によって、我々のマシン2台が避けられない状況で接触することになった」

「今は我々全員が苦い気持ちを味わっていて、受け入れるのが難しい。しかし我々は冷静になって立ち直らなければならない」

「今週はスパでまたレースがある。サマーブレイク前の最後のレースだ。幸運とより強力なチームリザルトを目指して取り組んでいく」

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