静岡・熱海市長が被災者と個別面会 土石流災害の復興計画を説明…理解求める 24日

静岡・熱海市が進める土石流災害からの復興計画をめぐり、被災者が市への批判を強める中、斉藤市長は24日、被災者と個別に面会し、計画に理解を求めました。

24日…熱海市の斉藤市長は、被災者で母親を亡くした太田朋晃さんが避難している住宅を訪れました。

2021年7月3日に起きた熱海市伊豆山の土石流災害では、災害関連死を含め28人が亡くなりました。伊豆山地区の警戒区域は9月1日に解除される予定ですが、今も124世帯、217人が避難生活を強いられています。

熱海市は宅地の整備計画をめぐり6月、住民説明会を開催。しかし、唐突に計画を変更するなど、二転三転する市の迷走ぶりに加え、これまでの説明に納得がいかない被災者から批判が続出し、一部の被災者から「要望書」が提出されました。これを受け、斎藤市長は、復興計画の変更を丁寧に説明し、被災者らの意見を聞く必要があるとして、個別に話し合うことを決めました。

(熱海市 斉藤市長)

「お焼香をさせていただいても?」

(太田朋晃さん)

「一つお伺いしたいのですが、そこで手を合わせていただくのに、どういう気持ちで合わせていただけるのか」

(熱海市 斉藤市長)

「私どもは大変申し訳なく思っています。亡くなった方は帰ってくることはない訳ですが、ご冥福を心よりお祈り申し上げたいという思いです」

神妙な面持ちで仏壇の前で手を合わせた斉藤市長。面会の中で太田さんは、土石流が発生した原因の究明を進めることや、熱海市が示している「復興計画」を見直すことなどを要望しました。面会を終えた太田さんは…

(太田朋晃さん)

「対話できたことにより、信頼していこうという気持ちも生まれましたし、それに対し、今後どのように対応してもらえるのか、その部分をしっかり見ていかなければいけない」「それでまた一層信頼が深まるのか、それとも不信感が生まれるのか、それは今後のことだと思います」

一方、斉藤市長は…

(熱海市 斉藤市長)

「太田朋晃さんとの対話については、私は非常に実りある時間だったと思っている」「復興計画は策定された時期から時間が経過している。今回の宅地整備についても、仮に補助金制度にするのであれば方向が変わる。それについては計画書の通り随時、必要に応じて見直し、より良い計画にする必要がある」

斉藤市長は今後、要望書を出した太田さん以外の5世帯11人と直接面会する予定で、要望があればそのほかの被災者のもとへも赴き、市の対応や復興計画について理解を求めるという事です。

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