オノフ ウェッジ LABOSPEC FROG'S RUNNINGを西川みさとが試打「練習不足でもこれなら安心」

ジワジワきているチッパー比較 HS30m/s台の女子プロ評価は!?

昨年7月にピンより発売された「ChipR」は、“お助けクラブ”としては異例の大ヒットを記録し、発売当初は予約が殺到して入荷待ち状態が長く続いた。それを機に改めてそのやさしさとスコアに直結する性能に注目が集まったチッパー。今年6月には、グローブライドより「オノフ ウェッジ LABOSPEC FROG'S RUNNING」が発売され、さらに注目される存在に。そこで今回は、新モデル・オノフウェッジを、「ChipR」と中古市場でも根強い人気の2モデルを比べつつ、有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「改めてそのやさしさに驚き 『ChipR』よりスコアメークしやすい?」

―率直な印象は?
「ボールからピンまで何もない花道のシーンに限って考えるなら、アプローチが苦手な人は使うべきだと思います。一般的なウェッジと比べ、ボールを無理に上げる必要がないため、転がすだけの打ち方であれば、とても重宝するからです。買わない手はないと思うほど、そのやさしさに驚きました

芝を掃くように打てば芝に刺さらず滑るオノフ独自のソール形状「スワイプソール」

―見た目の違和感は?
「まぁ、それはどちらを取るかになると思います。もっと上を目指すならウェッジをめちゃくちゃ練習するか、違和感はあっても一本これをキャディバッグに入れるか。練習時間が長く取れるなら一般的なウェッジで練習したほうが、いろいろな打ち方を覚えられるので良いと思いますが、時間のない方はとにかく一本入れるべき。当たり前のことですが、違和感は慣れとともに解消してしまうものなので、購入して2~3回ラウンドで使用すれば、自然と構えやすく感じると思います」

ターゲットに合わせやすいサイトライン

―チッパーに拒否反応を示す人もいると思うのですが?
「そうですね。どんな見た目でもいいからスコアにこだわるという人に限られると思います。ただ、それはプレーヤーの考え方次第。花道からのランニングショットをよりミスなく打ちたいなら、迷わず選ぶべきでしょう。ただ、フェースを開いて打つバンカーやラフからのショットには不向きなので、通常のウェッジ練習が不要になることはないと思います。練習が必要だからこそ、仕事が忙しく思うように練習時間が取れない方にこそお勧めしたいです」

左からプロギア「R45」、オノマー「CHIP 45 WEDGE ORM-718C」、ピン「ChipR」、オノフ

―他社のチッパーと比べると?
「ピン『ChipR』は、アイアン形状を維持しているので、私は『LABOSPEC FROG'S RUNNING』のほうが用途が限定できる分、スコアメークにつなげられるように感じます。いわゆるチッパー形状のほうが迷わず使うことができる分、シンプルに転がし対応として集中できる。『オノマー CHIP 45 WEDGE ORM-718C』は、『LABOSPEC FROG'S RUNNING』より一般的なウェッジ形状に近く、フェースを開いて操作する打ち方に対応できる特徴を持ち合わせています。バンカーからでもボールを上げて脱出できそうな印象。プロギア『R45』は極太タイプのグリップで、試打した4本の中では一番“パター感”が出ていました。とにかくやさしさだけで選ぶなら、この『R45』になるでしょうか」

モデル名からも連想できるように横から見るとカエルの足のように見える

―どういう打ち方がマッチすると思う?
「パターと同じように、アドレスであまりスタンスを開かず、真っすぐ構えると良いと思います。ヘッドも比較的に重いため、自分で操作する感覚を減らし、振り子のように右から左に移動するだけのイメージ。体を開かないで打てるという点が、かなり使用者をラクにしてくれると思います。フェースを開く開かない、軌道をカットに入れる入れないなどを一切考える必要がなく、飛球線と並行に構え、ヘッドを上げて下ろすだけ。余計なことを考える必要がなく、基本的なスイングづくりにも適している気がします」

「こんなにチッパーを打ったことがなかったけど改めて支持される理由が分かった」と西川

―どのような人向き?
「多くのアベレージゴルファーと回っていて、グリーン周りで苦労している姿をよく見かけます。ショットはうまくいっているのに、アプローチでトップして、グリーンを行ったり来たり…。そんな苦手意識を持っている方、スコアを崩して悩んでる方にお勧め。この『LABOSPEC FROG'S RUNNING』を使っていくうちに、一般的なウェッジでのアプローチも、改善できるかもしれません。とにかくアプローチに悩みを抱えている方にこそ、最適な一本だと思います」

極端な評価は個性の証【総合評価3.3点】

【スピン性能】3.0
【打 感】4.0
【抜け感】4.5
【バンカー対応力】1.0
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:42度
・使用シャフト:NSプロ 950GH neo(フレックス表記なし)
・使用ボール:タイトリスト プロV1

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋、ゴルフガレージ西葛西店多摩店

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