国内線利用1.7倍に 小松空港、1~6月

利用の回復が進む国内線の機材=小松空港

  ●那覇、札幌コロナ前超え 仙台、成田再開めど立たず

 小松空港の今年上半期(1~6月)の国内線の利用者数が、前年同期の1.7倍となる62万3264人に増えたことが県のまとめで分かった。5月の新型コロナの5類移行で、コロナ前の2019年同期と比べても18.4%減の水準まで戻った。那覇、札幌両便はコロナ前を上回った。一方で仙台、成田両便は依然、再開のめどが立たず、県は国内線の完全復活に向けて航空会社に復便を働き掛ける。

 利用実績は、羽田便が前年同期比63.5%増の45万174人だった。全体の7割を占め、昨年5月の大型連休明けに従来の1日10便運航に戻って以降、ビジネス、観光とも順調に利用が回復している。

 那覇便は2.6倍の4万1475人、札幌便は2.3倍の4万6589人で、観光需要の多い両便が大きく伸びた。福岡便も73.4%増の8万4003人となった。チャーター便は1.4%減の1023人だった。

 19年同期比では、羽田便が19.0%減、福岡便が0.8%減まで回復したが、コロナ前の水準には届いていない。これに対し、那覇便は8.8%増、札幌便は16.8%増と、コロナ前を上回る利用となっている。

 一方、仙台、成田両便は2020年10月から運休が続いている。ほかの国内線は徐々に利用を戻しているが、19年同期でも仙台便の利用者は2万6233人、成田便は1万7017人と多くはなく、復便に向けた航空会社の動きは鈍いのが実情だ。

 運休がいつまでも続けば、事実上の路線廃止という状況にもなりかねず、県空港企画課の担当者は「できるだけ早期に再開されるよう、引き続き航空会社への働き掛けを強めたい」と話した。

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