県武道館「県総」に変更 建設地、検討委が了承

県武道館の建設地に了承された県総合運動公園のびのび広場=富山市南中田

  ●整備費は約20億円削減

 富山県が整備を進める県武道館の基本計画の見直し検討委員会が25日、県庁で開かれ、建設予定地を従来の富山駅近くから富山市南中田の県総合運動公園(県総)のびのび広場に変更することが了承された。資材価格の高騰で110億円に上振れすると見込まれていた整備費は、4階建てから2階建てに縮小するなどの見直しの結果、約20億円削減される見通し。県は9月補正予算案で基本設計に関する事業費を計上し、2027年度の開館を目指す。

 県は整備費の上振れに基づく縮減策を講じた結果、これまで建設地としていた富山駅近くの富山市千歳町に加え、県総のびのび広場と富山市の五福公園スポーツ広場を新たな候補地とし、6月に検討委に提案していた。

 25日の検討委では、県側が県総について、駐車場が多く確保でき、北陸自動車道富山インターチェンジからのアクセスが良く、大会開催会場に適していると指摘。公園内の陸上競技場や屋内グラウンドのほか、近隣に県総合体育センターなどがあり、スポーツ施設の集積エリアとなることが期待されるとして、県武道館の建設地に提案し、了承を得た。

 延べ床面積を現行計画より2千平方メートル縮小した2階建ての1万2千平方メートルとし、整備費は87億3千万~91億4千万円に抑えられる見通し。卓球やバドミントン、ダンスなど、床に金具を必要としない武道競技以外の活用も可能とする。

  ●年間支出1億3300万円、年間収入額は1100万円

 試算では、年間の支出額は現行計画の1億7千万円から1億3300万円に削減される。年間収入額は1100万円で、維持管理・運営については今後、効率的な手法を検討する。

 県は来月上旬から中旬までパブリックコメントを実施し、来月下旬に改定版をまとめる予定。9月補正予算案可決後の今年度内に基本設計に着手し、来年度に実施設計に入る。2025年度から2年かけて建設工事を行う予定だ。

  ●新田知事「27年度開館に最大限努力」

 新田八朗知事は25日、県武道館の建設地を県総合運動公園のびのび広場とすることを含めた基本計画の改定案が了承されたことについて「今の状況を踏まえた良い改定案になったと思う。目標としてきた27年度中の開館を目指して最大限努力したい」と述べた。全国知事会議の開催されている山梨県北杜市内で、報道陣の取材に答えた。

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