飾りそうめんを奉納 長崎・日吉で地蔵まつり 家内安全願う

年長者に教わりながら生そうめんを編む様子=長崎市飯香浦町

 江戸時代中期から続くとされる地蔵まつりが23、24日、長崎市日吉地区の成尾地蔵堂(飯香浦町)と丸尾地蔵本堂(太田尾町)であり、市無形民俗文化財の「飾りそうめん」を供え、家内安全を願った。
 成尾地蔵尊は1533年に、丸尾地蔵尊はその約30年後に祭られている。まつりでは、飯香浦が鎧兜(よろいかぶと)2体と幔幕(まんまく)、太田尾が男女の人形(ひとがた)を各1体作る。23日午前中に始まったそうめん編みは、乾燥で特注の生そうめんが切れないように閉め切った部屋で、年長者の指導を受けながら地域の人たちが黙々と手を動かした。 まつり期間中は、それぞれの堂内で、当番地区の男性が鉦(かね)を打ち鳴らし念仏を唱える「鉦張り」があった。

念仏を唱えながら鉦を打ち鳴らす「鉦張り」=長崎市太田尾町

50年携わる太田尾町の森下祐治さん(69)は「荒々しさが太田尾の特色」と満足そう。参詣客には木版で本尊の姿を写したお札と団子が配られた。
 飯香浦町では4年ぶりにかき氷などの出店も。同まつり保存会の峰富士雄会長(76)は「地蔵さまを祭り490年。長い間続けてきた地元の人に感謝したい」と話した。

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