冬ガモ1羽 酷暑の浦上川に 愛鳥家「夏を乗り切って」

酷暑の中で過ごす冬ガモ、ホシハジロ=長崎市茂里町、浦上川

 春に大陸へ旅立つはずの冬ガモ、ホシハジロが、長崎市の浦上川に1羽だけ居残っている。酷暑の夏を無事乗り切ることができるのか、バードウオッチャーが気をもんでいる。
 浦上川中流域には毎年1~3月、十数羽のホシハジロが飛来越冬する。春になると繁殖地の大陸へと旅立ってしまうが、今年は雄1羽が5月を過ぎてもたびたび目撃されていた。
 同川周辺での野鳥観察を趣味にしている下川史子さん(70)は、7月中旬に同市松山町付近でこの個体を確認した。「他の仲間はみんな北に帰ってしまったのに、たった1羽で残ったホシハジロ。暑さにうだっているようで、かわいそうに見えた」と心配する。
 そばには留鳥のカワウがいて、羽を乾かしながら時折ばたつかせていた。「まるでカワウがホシハジロに寄り添い励ましているように見えた」と語る下川さん。「元気でこの夏を越せるように願っている」と話している。


© 株式会社長崎新聞社