不思議な世界にいざなう夏 山形・芭蕉記念館で「妖怪探訪」展

アマビエなどの妖怪にまつわる作品が並び、不思議な世界を堪能できる企画展=山形市・山寺芭蕉記念館

 山形市の山寺芭蕉記念館で企画展「妖怪探訪-“もののけ”の不思議な世界」が開かれている。江戸時代から現代まで文学や絵画などで表現された妖怪たちの変遷を知ることができ、異界に迷い込んだような不思議な空間が広がっている。

 「九尾(きゅうび)の狐(きつね)」伝説が残る「殺生石(せっしょうせき)」(栃木県)を訪れた様子を描写した松尾芭蕉の「おくのほそ道」丈草(じょうそう)本や、足だけがはっきりと描かれ恐怖感を伝える日本画「足の気配」のほか、今にも動き出しそうな「鍋の付喪神(つくもがみ)」の造形物も。江戸時代に旅のお守りにもなった霊獣「白澤(はくたく)」にちなんだ作品などもあり、妖怪を身近に感じる約55点が並んでいる。

 相原一士学芸員は「妖怪に親しみを込めて作っていることが分かる。暑い夏に冷やっとしてみてほしい」と話す。8月28日まで。

 関連イベントとして、今月28日までの午前9時~午後4時半、暗い和室を探険する「きもだめし」も開催。また8月5日午後4時半から洋画家安井敏也さん、午後5時10分からは作家黒木あるじさんによる妖怪講座もある。先着50人。同11日午後2時からは学芸員による展示解説がある。いずれも事前申し込みは不要。

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