バス置き去り防止装置、設置進まず 岩手県、全国下回る44%

園長に迎えられ、バスから降りるみなみ幼稚園の園児。置き去り防止のため、本県は送迎バスへの安全装置取り付けを一層進める必要がある=盛岡市流通センター北

 岩手県内の認定こども園などの送迎バスへの安全装置取り付けが進んでいない。昨年に静岡県で発生した女児の死亡事故を受け、置き去り防止のため国は4月に設置を義務化したが、本県の設置率は6月末時点で44.7%にとどまり、全国平均の55.1%を下回る。最近は厳しい暑さが続いており、県や市町村の担当者は危機感を強める。作業時間の確保などが導入の壁となっており、未設置の施設に対して夏休み中の取り付けを促すほか、安全マニュアルなど代替措置の指導を徹底する。

 園児の8割がバスを利用する盛岡市流通センター北のみなみ幼稚園(福士晴美園長、園児48人)は6月初旬、所有する送迎バス2台に安全装置を取り付けた。

 エンジン停止から5分経過しても車内に子どもがいると、上部のセンサーが反応してブザーが鳴る仕組み。福士園長は「目視の点検と装置での二重チェックが可能になり、保護者の安心感も高まった」と話す。

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