女子サッカー・門脇真依選手、CL出場目指しヨーロッパへ 多可町出身、大学卒業待たずに挑戦

チームの中心選手として、全日本大学選手権大会の優勝に貢献した=群馬県邑楽郡板倉町、東洋大学板倉キャンパス

 女子サッカーの全日本大学選手権で優勝した東洋大の門脇真依選手(22)=兵庫県多可町出身=が欧州の強豪と契約した。近く出国してチームに合流する。最高峰の国際大会「欧州サッカー連盟(UEFA)女子チャンピオンズリーグ」出場を目指す。

■一瞬で抜け出す瞬発力、テクニック

 門脇さんは多可町八千代区出身。1歳上の兄の影響でサッカーを始め、「八千代少年サッカークラブ」に所属した。中高時代は親元を離れ、静岡県を拠点に活動する「JFAアカデミー福島」に入り、2017年にはU-16日本女子代表に選ばれている。

 ポジションはフォワード。身長158センチだが、一瞬で抜け出すスプリント力やテクニックは大学入学当初から抜群だった。石津遼太郎監督(33)は「歴代部員の中でも、ずばぬけている」と高く評価。1年生からレギュラーの座をつかんだ。

■日本との違いに衝撃

 昨年度の全日本大学選手権では、創部10年目の初優勝に貢献。4年生となった本年度は連覇を目指し、卒業後にプロに-という道もあった。だが今年3月、関東大学女子サッカー連盟主催の米国遠征メンバーに選ばれたのが転機となった。

 米国の選手と対戦して「日本とスピード感が全く違う」と衝撃を受けた。すぐに代理人を見つけて海外の移籍先を模索。女子サッカーが日本より盛んな欧州で挑戦することを決めた。

 契約を結んだチームからは「ゴール前で違いを出してほしい」と期待されている。「体格で勝るディフェンダーに捕まらないような動きを見せたい」と意気込む。

 故郷の多可町を離れて10年。年3回ほど帰省し、小学校時代の同級生と会うのを楽しみにしている。「応援してくれる地元の人に活躍を届けたい。とにかく結果を残し、地元のサッカー少女に夢を与えたい」。

 ふるさとへの愛着を胸に、遠い欧州の地で、夢の舞台を目指してゴールを狙い続ける。(伊田雄馬)

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