藤井聡太王位、3連勝で4連覇へ王手 130手超えの熱戦を制す 佐々木大地七段、仕掛け実らず 王位戦第3局

第3局を制し、感想戦で対局を振り返る藤井聡太王位=26日午後、北海道小樽市、銀鱗荘

 将棋の藤井聡太王位(21)=竜王、名人、叡王、棋王、王将、棋聖=に佐々木大地七段(28)が挑む「伊藤園お~いお茶杯第64期王位戦」(神戸新聞社主催)7番勝負の第3局は26日午前9時、北海道小樽市の旅館「銀鱗荘」で指し継がれ、午後7時1分、先手番の藤井が131手までで勝利した。藤井は本シリーズ3連勝となり、王位戦4連覇に王手をかけた。

 初日の25日は藤井が得意とする角換わりを佐々木が正面から受ける展開になった。藤井の封じ手1八同香(61手目)から再開した2日目は、佐々木が3六角成(64手目)と馬を作った後、2時間32分の大長考で3一金(66手目)と指した。

 同日午後まで細かな攻防を繰り返すじっくりとした展開が続いたが、藤井が4二銀(87手目)と相手陣に打って攻勢に。佐々木は5二銀(100手目)などと粘り強く抗戦し、今シリーズ初となる130手超えの熱戦となったが、藤井が的確に寄せきった。

 立会人の木村一基九段(50)は「4二銀から攻めが続くとみた藤井王位の構想が秀逸だった。佐々木七段も1五歩(58手目)と積極的な仕掛けを見せたが、結果的にはあまりうまくいかなかったのかもしれない」と総括した。

 持ち時間各8時間のうち、残りは藤井11分、佐々木5分。第4局は8月15、16日、佐賀県嬉野市の和多屋別荘で行われる。

【藤井聡太王位の話】右玉に対しどう打開するかが課題の将棋。4五歩(53手目)から4五同桂(55手目)の攻めはうまくいっていなかった。7五同歩(103手目)では玉を動かして受ける手もあった。実戦は玉への当たりが強く、まずい順を選んだかもしれない。 【佐々木大地七段の話】4五歩(53手目)から動かれ対応が難しかった。1五歩(58手目)と1筋を刺激したのは良くなかった。4二銀(87手目)は、かなりうるさかった。4四香(115手目)の切り返しに気がつくのが遅れ、粘る順を探さないといけなかった。

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