「true tears」ラッピングバス 9月から運行開始

「truetears」のデザインが施されたラッピングバスのイメージⓒ2008truetears製作委員会

  ●放送15周年節目、地域を元気に/高岡―城端―五箇山―白川郷巡る

 アニメ制作会社ピーエーワークス(南砺市)の出世作「true tears(トゥルーティアーズ)」の放送15周年を記念するラッピングバスが9月中旬から1年間、加越能バス(高岡市)の「世界遺産バス」で運行することが決まった。富山新聞社が創刊100年を記念して今秋に開催する「true tears展」と連動した取り組み。「富山に根ざした新聞」と「富山発の人気アニメ」の節目に合わせ、ラッピングバスやアニメ展をはじめ多彩な企画を展開し、地域の元気につなげる。

  ●今秋の展覧会に連動

 「true tears」のラッピングは、高岡―城端―五箇山―白川郷を結ぶ世界遺産バスの車両1台に施される。

 車両後部に作品のキャラクターと城端別院善徳寺(南砺市)を描き、「アニメ『true tears』放送15周年・富山新聞創刊100年記念」の文字をあしらう。側面には春の善徳寺、夏の相倉合掌造り集落、秋の白川郷合掌造り集落の風景をデザインする。

 ラッピングバス運行開始後、11月2日~12月4日には、城端地域に位置する南砺市クリエイタープラザ「桜クリエ」で、富山新聞創刊100年を記念した展覧会「true tears 15年の真心の軌跡~富山で生まれ、富山で育まれたアニメ作品~」(富山新聞社主催)を開催する。

 ラッピングバスについては、桜クリエの指定管理者を務める一般社団法人地域発新力研究支援センター(南砺市)がクラウドファンディングで賛同者を募り、749万3千円の支援金が集まった。支援金は、記念誌や記念グッズの製作などにも活用する。

 「true tears」は南砺市城端地域などを舞台モデルとし、2008年に13話が放送された。制作を手がけたピーエーワークスは、アニメスタジオの大半が東京に集まる中、旧城端町で2000年に設立され、地方に本社を構えるアニメ制作会社の代表格として知られる。

 出世作の「true tears」は、アニメの舞台モデルを訪ねる「聖地巡礼」の社会現象化と相まって、全国のファンを富山県に集める原動力となった。15周年を迎えた地方発の人気アニメと、1923(大正12)年創刊で100年の歴史を刻む富山新聞がタッグを組んで各種イベントを展開し、ファンをはじめ、幅広い人々を呼び込む。

 地域発新力研究支援センターの佐古田宗幸代表理事は「放送から15年たっても多くの人から支援を受けてラッピングバスを運行できることに感無量だ。1人でも多く、城端や世界遺産の合掌造り集落に足を運んでほしい」と話した。

 ★true tears(トゥルーティアーズ) 南砺市城端地域がモデルの「麦端町」を舞台に、高校生の青春群像劇が描かれる。城端曳山祭と城端むぎや祭をモチーフにした「麦端まつり」や、氷見市を思わせる海辺の風景などが登場する。聖地巡礼ブームを盛り上げた作品の一つで、放送から15周年を迎えた現在も根強いファンを持つ。

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