山形大入試、解答例や採点にミス 5人を追加合格

5人が追加合格となった入試ミスについて陳謝する玉手英利山形大学長(中央)=山形市・同大小白川キャンパス

 山形大は26日、今年2月の一般入試前期日程で解答例や採点にミスがあり、合否判定をやり直した結果、不合格とした医学部と工学部の計5人が合格となったと発表した。解答例が誤っていたのは物理と化学で、再点検の結果、工学部では別の採点ミス70件も判明した。同大は5人に謝罪と事情説明を行い、入学を希望する場合、要望に沿った形で対応する。同大は「複数の教員によるチェックが機能しなかった」と説明した。

 同大は山形市の小白川キャンパスで臨時の記者会見を開いた。説明によると、今月5日、過去問の問題集を扱う出版社から解答例について指摘を受けた。大学で再確認したところ、化学2問、物理1問の解答例が誤っていた。正しい解答例で採点をやり直したところ、計450件で得点変更が生じた。医学部医学科で2人、工学部昼間コース機械システム工学科で2人がそれぞれ合格となった。工学部では、この再点検で、今回の解答例の誤りとは関係のない採点ミスが全科目(物理、化学、生物、数学)で新たに判明。このミスでも同学科で1人が追加合格の判定となった。

 会見で出口毅入試担当理事・副学長は、複数の教員が最低3回、試験問題と解答例のチェックを行うと説明。査読、校正などの作業に関し、ミス防止の詳細なマニュアルを設けているとした上で「機能していなかったのは明らかだ」と述べた。実際に問題を解き、解答例を確かめるといった作業を徹底していたかは、現段階では不明とし、今後聞き取り調査をする。

 70件に上る工学部の採点ミスは、部分点の修正が40件、正誤の誤りが22件、集計ミスが8件。採点や点数集計は異なる教員が複数回行い、さらに別の教員が最終確認する仕組みだが、チェック漏れや見落としがあったという。大学は今後、外部メンバーを加えた調査委員会を設けて再発防止策を検討し、公表するとしている。会見で玉手英利学長は「決してあってはならないこと。受験生、関係者の皆さまに多大な迷惑をおかけしたことを深くおわびする」と陳謝した。

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