ロシア戦争犯罪の証拠共有を指示 ICCと、米政権の「政策転換」

26日、ウクライナ東部ドネツク州で火器を構えるウクライナ兵(ゲッティ=共同)

 【ワシントン共同】バイデン米大統領は、ウクライナ侵攻を続けるロシアの戦争犯罪を裏付ける証拠を国際刑事裁判所(ICC)と共有するよう関係省庁に命じた。ニューヨーク・タイムズ紙電子版が26日、米政権の「大きな政策転換」として報じた。

 証拠を共有すれば、海外で従事する米軍関係者の刑事責任追及にもつながる可能性が否定できないとして国防総省が反対していたが、民主、共和両党の議員からICCの捜査への協力を求める声が拡大。バイデン氏が最近になって共有を指示し、政権は25日には議会への説明を始めた。

 米情報機関はロシア軍による民間インフラへの意図的な攻撃や、子どもの連れ去りに関する証拠を収集してウクライナに提供していたが、ICCとの共有は控えてきた。

 ICCは3月、ウクライナ侵攻に絡んで子どもの連れ去りに関与した疑いでロシアのプーチン大統領に逮捕状を出した。米国はICCに加盟していないが、バイデン氏は「戦争犯罪を犯したのは明白だ」と指摘し、逮捕状は正当だと判断を支持していた。

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