「出費ばかり増える」消費者ため息 青森県内ガソリン、今年最高値169円90銭

ガソリンスタンドで給油するドライバー。長引く物価高に加えてガソリン価格の値上がりが止まらず、家計の負担は増す一方=26日午後、青森市内

 経済産業省が26日発表したレギュラーガソリン1リットル当たりの青森県内小売価格(24日時点)は、前週から90銭上昇し169円90銭となった。値上がりは10週連続。長引く物価高に加え、ガソリン価格も上昇が止まらず、家計の負担は増す一方。今後も高止まりが続くとみられ、県内消費者からは「出費ばかり増える」「どこまで上がるのか」とため息が漏れた。

 ハイオクも前週から90銭上がり181円ちょうど。軽油は80銭上昇し151円40銭だった。灯油店頭価格は18リットル1997円(1リットル110円94銭)で16円の値上がり。レギュラーガソリンを含め、いずれも今年に入っての最高値を更新した。

 26日、青森市内のガソリンスタンドで給油していた会社員神誠さん(62)=同市=は「車はどこに行くにも使うので、他のものよりも値上がりが気になる。夏はエアコンも使うし、長距離を走らないよう弘前や五所川原まで買い物に行かなくなった」と話した。

 藤崎町の会社員福士和(いずみ)さん(30)は「車を使う頻度は少ないが、それでもきつい。給料は上がらないのに物価も高いし、ガソリンも値上がりして出費ばかり多くなる」とこぼした。

 影響は運送業者にも。同市の成長タクシーは全体の3分の2に当たる約80台がガソリン車。田中隼人ゼネラルマネジャーは「これから先どこまで上がるのかと心配」と漏らす。ねぶた祭で一番の書き入れ時となる8月が迫るが、「政府の補助は全体で見れば微々たるもの。行政には燃料費の高騰を抑える取り組みをお願いしたい」と語った。

 青森県のレギュラーガソリン価格は、ウクライナ危機などに伴う原油高で、2022年3月におよそ13年半ぶりに170円台を突破。同年6月27日時点で171円90銭に達したが、ここ1年ほどは政府の価格抑制策の影響もあって、小康状態が続いていた。

 県石油商業組合青森支部の越田昭雄事務局長は「本県のガソリン価格は全国的に見ると安い方で、価格転嫁がまだ進んでいない。転嫁しなければ販売業者は相当厳しい」と指摘。「価格が急激に下がる要素はなく、高止まりの様相が続くのではないか。政府には補助終了後も、また何か手だてを考えてもらえたらありがたい」と話した。

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