森田さ~ん、エビアンのお天気は? 「フェーン現象で予選Rは気温高め 金曜PMから天気不安定に」

初日は汗ばむ陽気になるが…

アメリカ女子ツアーのメジャー4戦目、「エビアン選手権」が日本時間の27日お昼すぎに開幕する。舞台となるエビアンリゾートゴルフクラブは、フランス北東部、標高520mの山間に位置するリゾート地だ。TBSのニュースでもおなじみ、気象予報士の森田正光さんにエビアンの天気を解説してもらった。

まるで軽井沢!? フェーン現象の本拠地でもある

エビアンはご存じの方も多いと思いますが、レマン湖のほとり、アルプスの山に囲まれた街で、避暑地としても有名です。スイス、イタリアにほど近く、特にスイスとは国境を接していて、スイスから訪れる人も多くいます。南側にアルプス、北側にジュラ山脈があり、二つの山脈に囲まれた高原にあり、標高が500mあって平地よりは3度ぐらい気温が低い。夏場にしては比較的過ごしやすい気候ではないかと思います。日本でいうところの、避暑地の軽井沢に似ていますかね。

緯度は北緯45度で、北海道の稚内よりちょっと北側に位置します。内陸にはありますが「西岸海洋性気候」と西ヨーロッパに多い気候区分。夏の気温が低めという特徴があります。

+の位置がエビアン。南北を山に挟まれた場所に位置する(提供/国土地理院)

過去のデータを見ても、夏の平均気温は20度ぐらい。降水量も80mmに届かないので、数字を見ても過ごしやすさがうかがえます。ただし山間なので、気温がグッと上がるタイミングもあります。「フェーン現象」という言葉を皆さんも聞いたことがあると思いますが、実はその語源がここにあるんです。“フェーン”という言葉にはドイツ語で山を越えるという意味があり、アルプス山中に吹く局地風のことを指しているんです。

初日は南風だが、低気圧の影響で次第に西風に

エビアンの南側にあるアルプスを越えてきた“フェーン”が吹くと、気温が上がるわけです。つまり南風が吹くと気温が上がる合図ということ。アルプスで雨や雪を降らせたあとの乾いた風が山を下りてきていることになります。乾燥しているということは、雨が降らないということで、つまりエビアンで気温が高い日は雨が降らないということです。通常は北風ですが、南風が吹いてきたら晴天の合図と思っていて間違いないでしょう。

では、そうした特徴も踏まえて、今年のエビアン選手権の4日間の天気を見ていきましょう。

4日間の天気。低気圧とともに気温も下がる

初日はまさに先ほど申し上げた「フェーン現象」の影響があり、南風が吹いて気温が高め。最高気温は29度まで上がるので、汗ばむ陽気になるのではと予想されます。

ただし金曜日から天気は下り坂に。金曜日は午前中まで天気ももちそうですが、午後からは雨雲がわいてきそうです。高い気温をクールダウンさせるような雨となるでしょう。土曜日は一日を通して雨が降りやすく、気温も下がってきます。低気圧が発生することもあって雨が強まる時間もあり、雷が鳴る可能性もあるため注意が必要ですね。

高原の天気が楽しめるのは初日まで。そこから雷雨に耐えしのぐという展開になりそうです。ことしの“メジャー”は、なんだか荒れた天気が多いですね…。

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