愛媛県久万高原町で、ビールの原料として使われる「ホップ」の収穫が最盛期を迎えています。
久万高原町では3年前から、町おこしの一環として山間にある畑でビールの原料・「ホップ」の栽培が行われていて、現在、収穫の最盛期を迎えています。
生島尚さんの畑でも、高さ5メートルほどの蔓に実ったホップを1つ1つはさみで刈り取っていました。
(生島さん)
「色が濃い感じで実もたくさんついているので、上出来だと思います。おいしいビールになればいいなと思います」
ビールの味や香りを決めるのに欠かせないのが、実の中にある「ルプリン」という樹脂。
黄色い粒状で、苦味のもととなる物質が含まれています。
香りを嗅いでみると…。
(記者)
「香辛料のような香りがします。スパイシーなんですけど爽やかで、かんきつのような香りにも感じます」
さらに、このホップを使った新たなビール造りも進んでいます。
松山市の水口酒造では、27日から久万高原町産のホップでクラフトビールの醸造を始めました。
醸造所では、従業員が農家から仕入れたホップの実を手で細かくした後、ビールの原液となる「麦汁」が入ったタンクの中に加えて、風味を整える作業を行っていました。
(水口酒造 水口皓介専務)
「地ビールに地元の産品を使えることは、我々の物語としてもすごく素敵なことだと思いますし、道後から県外に発信したいと思っている」
新たなビール、「星降るホップセゾン」は、爽やかな味わいで軽い飲み口に仕上がる見込みで、8月10日から水口酒造の直営店や久万高原町の道の駅などで販売される予定です。
農家らは、今年の久万高原町全体の収穫量を去年の倍となる、およそ13キロと見込んでいて、始まったばかりのホップ生産が地域を代表する農業として成長するのか注目です。