相次ぐ教職員不祥事…根絶に向け独自にコンプライアンス研修 静岡県

相次ぐ教職員の不祥事を受け静岡県内の一部の学校では独自にコンプライアンス研修を行い教職員の不祥事根絶へ向け活動しています。その研修現場を取材しました。

4月以降、これまでに県教委の管内では、教諭が強制わいせつの疑いで逮捕されたり、セクハラ行為を行ったなどとして4人の教職員が懲戒処分を受ける不祥事が相次ぎました。この事態を受け6月、県教委は公立高校の校長らを対象に「臨時校長会」を開き、不祥事根絶に向け「体罰や不適切な言動に焦点をあてたガイドライン」を2024年3月までに策定すると発表しました。

県教委の臨時校長会を受け学校独自でコンプライアンス研修を行う学校も…。今年度、創立120年を迎えた藤枝北高校。この日は、教職員に対し「不祥事を他人事としない」事や「体罰や不適切な言動の根絶」に向けた取り組みについて、グループディスカッションを行いました。

(藤枝北高校 貝瀬佳章 校長)

「処分案件が多く、処分4件 年度当初ありました」「なので、本校の独自でいわゆるコンプランス研修というようなエッセンスが入りながらも藤枝北高校の満足度を高めるにはと言うような話に表題を持って行って、それを皆さんで話し合ったり、自分の考えを話をして説明したりして、新しい気付きがあればいいかなという風に考えています」

研修では、約50人の教職員が1グループ3人でペアとなり、生徒への関わり方や他校で実際に起きた不適切な指導例などが書かれた資料を元に互いの意見を話し合いました。

(教師)

「昨今、不適切な指導事例としては、怒鳴るであるとか、生徒の言い分を聞かずに、こちらが意見を一歩的に伝えてしまうとか、皆がいる前で叱責してしまうとか様々な不適切な指導があるんですが、そういった事は根底を見ていくとどうしても個人個人の指導任せになってしまって、こういった重要な指針が組織として共有されていないというのが非常に根底にあると思う」

(教師)

「言い合いが自由にできる雰囲気が必要というか、チームワークが生かせるという事で、そうなればお互いに(指導を)やっていく中で誰かがやっていることに不満とかいう事もなく、全体として考えた中でやっていることになるので、特定の人が大きな声で自分の価値観を押し付けて進めていくとかじゃなく、皆で考えてやったことになれば、当然ハラスメント的な事も起きなくなる、(教員同士の)総合理解が出来れば」

この日の研修は約35分でしたが、教職員同士、本音で意見を言い合っていました。参加した教師は…。

(教師)

「不祥事のニュースは僕らでも聞こえて来るのですが、個人的に思っているのが、自分は大丈夫だろうとか、自分だけは(不祥事とは)無縁だろうという風に思っちゃうと危ないという風に思っていて、そういうのをコンプライアンス研修をすることによって、緩んだ気持ちを引き戻すには、すごく良い時間になっているかなと思います」

今回の研修を実施して貝瀬校長は…。

(藤枝北高校 貝瀬佳章 校長)

「非常に積極的に取り組んでくれているなというのが率直な感想です」「みんな共通のテーマで自分の今までの経験とかをくみ取りながら話すというような事は多分あまり、いままでなかったと思う」

各学校が不祥事を根絶しようと努力している中、先週にも浜松市で男性教諭が生徒に不適切な行為をしたとして懲戒免職となるなど教職員への風当たりはより一層強くなっています。不祥事根絶に向けいま、教育現場では正念場を迎えています。

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