【カンボジア】フンセン首相辞任、来月にも長男が継承[政治]

カンボジアのフン・セン首相は26日、近く首相を辞任し、長男のフン・マネット氏に引き継ぐ意向を正式に表明した。23日に実施された第7回下院議会選挙(総選挙)の結果が確定する8月22日以降に、新首相が誕生する見通しだ。地元各紙が伝えた。

フン・セン氏は旧ポル・ポト政権崩壊後の1985年に首相に就任してから、約39年にわたって政治の実権を掌握してきた。

退任を決めたのは、世代交代を推進するとともに国家の長期的な安定には現在が好機と判断したためと説明。長男の首相就任に関しては、与党人民党からの推薦を受け、総選挙を経て首相に就任する予定だと述べ、民主主義の原則に基づく正当な権力の継承であることを強調した。

フン・セン首相は、退任後は新政府や新しい首相の政治方針に干渉するつもりはないとコメントしているが、一方で引き続き人民党の党首や国王所属の最高枢密院議長などの要職を務める方針。上院議長のサイ・チュム氏が任期満了を迎える2024年2月以降には、同職に就任して国王不在時に代行職を務める考えで、政界引退の意向はないことを明らかにした。

フン・マネット氏は1999年に米陸軍士官学校を卒業し、英ブリストル大学などで経済学博士号を取得。2021年12月に首相候補として、人民党の支持を得た。陸軍司令官など主に国防分野で経歴を重ねてきたが、22年2月には日本を訪問して岸田文雄首相、林芳正外相と会談するなど外交分野でも実績を上げている。

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