甘えん坊の“鼻の捜査官” 警察犬「ヘラー」と指導士に感謝状 宇都宮南署

感謝状を贈られた警察犬のヘラーと指導士の池田さん(左)=26日午後、宇都宮南署

 強制わいせつ致傷事件などで容疑者逮捕に貢献したとして、宇都宮南署は27日までに、宇都宮市西川田町、警察犬指導士池田紀子(いけだのりこ)さん(51)と警察犬ヘラー・フォム・アイゼンバッハーシュロス号(シェパード、雄、3歳)に感謝状を贈った。幼少期に見たドラマの影響で警察犬とタッグを組んだ捜査に憧れた池田さん。普段は甘えん坊の“鼻の捜査官”の活躍に目を細めた。

 同署によると、ヘラーは管内で4~6月ごろにかけて発生した強制わいせつ致傷などの事件を受け、池田さんとともに現場に出動した。容疑者の足跡に残った匂いを基に事件後の足取りを数百メートル追跡し、住居の特定に力を発揮。防犯カメラ映像の解析など地道な捜査を重ね、同署は強制わいせつ致傷容疑などで同市内の男(24)を逮捕した。

 ヘラーは1歳半で警察犬の試験に合格し、今回の出動は3回目だった。池田さんは「普段は甘えん坊な性格。仕事となると一生懸命で真面目」と評する。

 池田さんは幼少期に警察犬と警察官が活躍するドラマを見て、憧れを抱いた。一度は別の職業に就いたが、12年前から指導士の勉強を始め、試験に合格。指導士となり9年がたつ。「現場に出る度に警察官のありがたさを感じる。少しでもお役に立ちたい」と語る。

 感謝状の贈呈式では、ヘラーにおやつも贈られた。川上俊之(かわかみとしゆき)署長は「鼻の捜査官が活躍してくれた。事件捜査や行方不明者の捜索などで、なくてはならない存在。どんな犯人も警察犬には“かなワン”」と感謝した。

感謝状を贈られた警察犬のヘラーと指導士の池田さん(左)=26日午後、宇都宮南署

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