哺乳類繁栄につながる時代にスポット 佐野の化石館で企画展、11月まで

市葛生化石館で開かれている企画展「ペルム紀という時代」

 【佐野】葛生東1丁目の市葛生化石館で、恐竜繁栄以前の時代を生きた動物や植物にスポットを当てた企画展「ペルム紀という時代」が開かれている。

 ペルム紀は今から約2億9千万年~2億5千万年前の時代で、哺乳類の祖先を含む単弓類が繁栄した。ペルム紀の後に恐竜が繁栄する中生代になる。

 同展では、同館が監修した土屋健(つちやけん)氏の著書「前恐竜時代:失われた魅惑のペルム紀世界」の表現を引用しながら、化石など82点を紹介している。ペルム紀前半や後半に繁栄した生き物から、その後火山爆発による大量絶滅を生き残った生物を時系列で分類しており、同館の奥村(おくむら)よほ子(こ)学芸員は(44)は「順路に沿って見ることで、ドラマチックなペルム紀の動物たちの変遷を見ることができる」と話す。

 恐竜に負けず劣らずの迫力ある化石も多く、大きな胴体と小さな頭部が特徴的な単弓類「コティロリンクス」や背中に大きな「帆」を持つ肉食動物「ディメトロドン」の頭部などが並ぶ。

 奥村学芸員は「ペルム紀は恐竜繁栄の時代と比べて注目されないことも多いが、人間をはじめとした哺乳類の繁栄につながる重要な時代。少しでも身近に感じてもらうきっかけになれば」と語った。

 11月23日まで。午前9時~午後5時。入館無料。月曜休館、祝日の場合は翌日休館。(問)同館0283.86.3332。

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