仏像発祥マトゥラーの彫刻を公開 天理大付属天理参考館の3体

インド北部のマトゥラーで造られたことが分かった天理大付属天理参考館所蔵の仏像(同館提供)

 天理大付属天理参考館(奈良県天理市)所蔵の仏像3体が、ガンダーラと並び仏像発祥の地とされるインド北部のマトゥラーで造られたことが分かり、同館で開催中の企画展で初公開されている。マトゥラー彫刻はインド国外に流出した作品が少なく、日本では珍しいという。同館の早坂文吉学芸員は「日本の仏像の源流とも言える貴重な彫刻だ」と評価している。

 3体は仏頭や仏坐像など。1960年代から同館に所蔵されていたが、入手経路や制作年代は不明で未公開のまま保管されていた。

 奈良教育大の山岸公基教授に調査を依頼したところ、大きく見開いた目や張りのある表情などの特徴から、2~3世紀のマトゥラー彫刻と判明した。

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