ビッグモーター前、ムクゲがなくなっていた 加古川、川西の2店舗でも街路樹消失が判明 兵庫県が現地調査

ビッグモーター加古川店前の植栽を調査する県加古川土木事務所の職員=28日午後、加古川市加古川町南備後

 中古車販売大手「ビッグモーター」(東京)の店舗前にある街路樹が不自然に枯れるなどしている問題で、兵庫県管轄の道路沿いにある8店舗のうち、新たに加古川店(加古川市)と伊丹北店(川西市)の2店舗の前でも街路樹が消失していることが、28日の県の調査で分かった。

 県は27、28日に8店舗で現地調査を実施。宝塚インター店(宝塚市)前では2018年にクスノキ6本が立ち枯れし、県宝塚土木事務所が伐採していた。

 これまでに少なくとも計3店舗で街路樹の異変が判明。その他の4店舗はもともと植樹がなく、1店舗は異常がなかった。

 28日、加古川店前の歩道では、県加古川土木事務所の職員4人が、植栽の土の部分にあった街路樹の痕跡を過去の資料と照合した。

 同事務所によると、植えられていたのは高さ約1.5メートルの中木のムクゲ。県が2020年4月に確認した際は1本植わっていたが、インターネット上の地図サービス「グーグルマップ」のストリートビューでは、同年7月には植栽のムクゲはなくなっていたという。

 同社公式サイトによると、同店は同年6月、拡張工事を終えて新装オープンした。男性店長は「半年前に来たばかりで、何も分からない」と話した。

 一方、神戸市によると、神戸北店(同市北区)の前では2021年5月ごろ、市道沿いで街路樹のケヤキ14本(高さ4~5メートル)が枯れ、市が伐採していた。同市の久元喜造市長は28日の定例会見で「かなり異様だ」と述べた。(金 慶順、宮崎真彦、井沢泰斗)

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