一番のおすすめ発表!「国産ビール12種」改めて飲み比べてみた【アサヒ・キリン・サッポロ・サントリー】

市販されている、発泡酒ではない本物の国産ビールを12種を徹底飲み比べしちゃいます

やっぱりビールはうまい!12種飲み比べてみた

連日暑い日々が続いていますが、こういうときに体が欲するのがキンキンに冷やしたビール。発泡酒も美味しいけれど、暑い日中に耐え抜いたこの体、夏場くらいはやっぱり本物のビールで体をスッキリ癒したいものです。

というわけで今回は、現在市販されている国産のビールの中から12種を徹底飲み比べ。ビールそれぞれの個性に迫りながらご紹介します。

【全ての写真】徹底飲み比べ フォトギャラリー

麦芽の味わいを強く感じる「キリン一番搾り生ビール」

「キリン一番搾り生ビール」

まずは、「キリン一番搾り生ビール」からいただきます。

日本人にとっては優等生的にも映る定番中の定番ビールですが、その特徴は麦芽の味わいと香味の余韻にあります。

「キリン一番搾り生ビール」をグラスに注ぐところ

飲み口は苦く感じる人もいるかもしれませんが、飲み始め中半で苦味は消え、むしろ麦芽の深い味わいと、後半のクリーミーな口当たりから、実に優雅な飲みごたえとなります。

喉越しも良い上、様々な料理とのペアリングもバッチリ。もちろん、暑い時期でもガンガン飲むことができるように思いました。

軽めの味わいを表現した「キリン一番搾り 糖質ゼロ」

「キリン一番搾り 糖質ゼロ」

そして「キリン一番搾り生ビール」の姉妹品「キリン一番搾り 糖質ゼロ」をいただきます。

キリン独自の「糖質カット製法」により糖分をゼロにした一方、ビール本来の味わいはしっかり守り抜いた一品。雑味のない澄んだ麦芽の風味もきちんと残しています。

「キリン一番搾り 糖質ゼロ」をグラスに注ぐところ

糖質ゼロということで、健康面では安心していただけるわけですが、「その分美味しくなかったらイヤだな」と思っていましたが、むしろしっかりとした風味設計で、「キリン一番搾り 糖質ゼロ」ならではの美味しさを表現しています。

香りが強すぎないことから、ビールが苦手な人でも美味しく感じるでしょうし、真夏の暑い日などで「ちょっと軽めの口当たりのビールが欲しいな」という人にとっても美味しく感じることでしょう。

それでいてアルコール成分は「キリン一番搾り生ビール」と同じく5%。しっかりと酔える(笑)銘柄でもあります。

外国人の声真似で、その名を呼びたい「アサヒスーパードライ」

「アサヒスーパードライ」

そして、アサヒビールの定番銘型「アサヒスーパードライ」をいただきます。

テレビCM の影響でこの商品名を口に出すとき、外国人の声風になってしまう人がいるとかいないとか。それはさておき、そのキレの良さから「夏場はやっぱり『アサヒスーパードライ』」と言う人も多い銘柄です。

「アサヒスーパードライ」をグラスに注ぐところ

最初は辛いアタックが口いっぱいに広がりますが、同時に強いキレを感じるとともに、発酵由来のビールらしい香り、ホップの香りを同時に感じることができます。

それでいて後味もスッキリしており、この全体のバランスの良さが多くのファンを魅了しているように思います。

特に、アサヒビール本社のある東京・浅草エリアでの支持率が高いのも特徴的。江戸っ子が多く好む銘柄でもあります。

「幻のアサヒ」と呼ばれた飲食店ご用達がルーツの「アサヒ生ビール」

「アサヒ生ビール」

今日の「アサヒスーパードライ」の絶大な支持は前項の通りですが、この銘柄が発売される以前の1980年代中半は、アサヒビールは低迷期を迎えており「夕日ビール」とさえ揶揄されることも多くありました。

そんな中、アサヒビールの開発者は起死回生を願い「マルエフ」という開発記号の名のビール作りに没頭。試行錯誤を繰り返した末に、完成させたのが、ここでいただく「アサヒ生ビール」でした。

完成後、開発者の願いが叶い、特に飲食店での支持が高まりアサヒビールは起死回生を果たすことになったわけですが、その後「アサヒスーパードライ」が発売されると、市場のニーズはこちらに強く傾斜。「アサヒ生ビール」の一般市場向けの缶ビールは廃盤となってしまいました。

「アサヒ生ビール」をグラスに注ぐところ

それが近年、復活させたのが同商品になるわけですが、一口目は極めて控えめ。「アサヒスーパードライ」の強い辛口を好む人には少々物足りなく感じるかもしれません。

しかし、「このまろやかな味・口当たりこそが良い」と思う人もおり、独特の風合いにハマると抜け出せなくなるという声もあるほど。

ワイワイ騒がしい場でいただくというよりは、比較的まったりと、静かに酒を楽しむシーンに向いているビールのように思いました。

ふくよかなボディとコクがヤミツキになる「エビスビール」

「エビスビール」

そして、1890年に誕生した歴史あるビール「エビスビール」をいただきます。

ビールの本場・ドイツのおいしさにこだわり続け、本物のビールの先駆的商品として知られる銘柄ですが、特徴的なのはふくよかなコクと、100%麦芽の深い麦の香りです。

「エビスビール」をグラスに注ぐところ

ザ・ビールとも言うべき仕上がりで、口に入れてすぐに麦芽の香りが広がります。また、クリーミーな泡も全体の味に強いインパクトを与えており、味濃いめの料理とのペアリングは特に良いように思いました。

夏場、「アサヒスーパードライ」のような辛口でキレの強いビールでスッキリするのももちろん良いですが、「エビスビール」のような濃厚な味わいで、疲れた体を癒すのも良いなと思いました。

飲む口は軽めだが、後から押し寄せる麦芽感がたまらない「サッポロ生ビール黒ラベル」

「サッポロ生ビール黒ラベル」

そして、支持者の熱量が高い印象もある「サッポロ生ビール黒ラベル」をいただきます。

飲み口こそ軽めですが、後から麦芽の旨み、クリーミーな泡の風合いが押し寄せてくることで、最後まで美味しくいただけるビールです。

「サッポロ生ビール黒ラベル」をグラスに注ぐところ

ビールの中には「最初の口当たりは抜群に美味しいが、後半はスカスカになる」「グラスに注いでからちょっと時間が立つと、ペラペラの味になる」といった銘柄もありますが、「サッポロ生ビール黒ラベル」はこういった「後味と劣化問題」を全てクリアしている印象で、後味も良ければ、注いだ後もブレない味を守っているようにも感じさせます。

どんな料理にも合うであろう良い意味でカドのない味わいも魅力で、この銘柄の支持者のアツい思いも妙に納得する筆者でした。

男らしい苦味と麦芽感が美味の「サッポロラガービール」

「サッポロラガービール」

そして、日本最古のビールブランドでもある「サッポロラガービール」をいただきます。

通称「赤星」の名で知られるもので、熱処理ならではのドシっとした味わいを感じるビールです。

「サッポロラガービール」をグラスに注ぐところ

男らしいとも感じる強い苦味と、ふくよかな麦芽感が特徴で、かなりの厚みがあります。また泡も昔ながらのビールを感じさせるクリーミーな印象で、全体的には強い飲みごたえ。

どんな料理とも合いますが、個人的にはやっぱり焼き鳥や煮込みといった伝統的な飲み屋メニューをいただく際には特に合うように思いました。

昔ながらの庶民派ビールを、今も缶ビールで気軽にいただける有り難さも噛み締めつつ、ガッツリいただきたい銘柄だと思いました。

繊細なバランスによって独特の旨みを表現する「ザ・プレミアムモルツ」

「ザ・プレミアムモルツ」

そして、サントリーが世界に向けて開発したプレミアムビール「ザ・プレミアムモルツ」をいただきます。

国産ビールメーカー4社の中で、ややインパクトが弱めだったサントリーですが、この「ザ・プレミアムモルツ」発売後は、一気に市場の支持を得るようになり、今日では「プレモル」の名で、「うまいビール」の代名詞的銘柄の座を欲しいままにしています。

「ザ・プレミアムモルツ」をグラスに注ぐところ

一口目の苦味は弱めですが、麦芽特有の甘みを全面に感じさせ、実に贅沢な味わいを楽しませてくれます。さらに、鋭いキレの良さと相まって、結果的にシーンや料理を問わず、どんな場面でも優雅な飲み口を楽しませてくれるように思いました。

余談ですが、筆者が初めて「ザ・プレミアムモルツ」を口にしたとき、一緒に飲んだ友人に「これはなんだ。めちゃくちゃ美味しいんだけど」と問うた記憶があります。

それほどに市販ビールの大半から突出した味わいで、「プレモル」にどっぷりハマると、なかなか抜け出せなくなるほどのこ指摘なビールに仕上がっているように思いました。

繊細な設計で爽やかな味わいを表現した「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉香るエール」

「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉香るエール」

そして、「ザ・プレミアムモルツ」 をさらに軽やかな口当たりにした「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉香るエール」をいただきます。

繊細な飲み口設計は「ザ・プレミアムモルツ」同様ですが、初心者にも楽しめる軽い飲み口が特徴の一品です。

「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉香るエール」をグラスに注ぐところ

苦味を極めて抑え、その分、甘味が際立った印象で、この辺は好き・嫌いがはっきり分かれるとことでしょう。ただし、香り・爽やかさはかなり強く、これらのおかげで従来のビールが苦手な方にとってはかなり飲みやすい味わいとなっています。

「ザ・プレミアムモルツ」ブランドの1種ではありますが、「ザ・プレミアムモルツ」との差別化をはっきりさせた銘柄でもありますので、飲み比べしてみるのも楽しいと思いました。

清々しくホップの味を楽しめる「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉ホワイトエール」

「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉ホワイトエール」

そして、「ザ・プレミアムモルツ」 ブランドの銘柄「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉ホワイトエール」をいただきます。

前項の「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉香るエール」と似たパッケージでもあることから、「こちらも香りが立った味わいかな」と思いましたが、口にしてみると明らかな違いを感じることができました。

「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉ホワイトエール」をグラスに注ぐところ

苦味を抑えている点は「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉香るエール」と確かに似ていますが、全体の飲み口はさらに爽やかでフレッシュな印象。またキメが細かい印象もあり、クリーミーな泡の味わいがかえって際立ち独特のバランスを持ったビールのように思いました。

こちらもまた好き・嫌いがはっきり分かれるようにも思いましたが、爽やかで清々しい味わいでもあるので、暑い夏場では特に支持が集まりそうにも思いました。

あらゆるビールの良いとこどりを実現した「サントリー生ビール」

「サントリー生ビール」

そして、「サントリー生ビール」をいただきます。

発売直後はその美味しさから、在庫薄になったほどの銘柄で、人によっては「あらゆる銘柄の美味しいとこ取りをしたビール」とも言う絶大な支持を受けているビールです。

「サントリー生ビール」をグラスに注ぐところ

口当たりはスキッとしており、どちらかと言うと「アサヒスーパードライ」にも近い感じです。しかし、かと言って辛口というわけではなく、麦芽のあらゆる風味をふくよかに表現しており、この飲みごたえとバランスは進化系ビールと言って良いクオリティ。

爽快感を感じさせながら、ビール本来のボディも強いという味わいはヤミツキになる人続出も納得です。

ただし、グラスに注いでしばらくすると、あれだけ美味しかった飲み口が一気に劣化してしまうという難点もあります。そのため「サントリー生ビール」は開封後、できるだけ早く飲み干してしまうべきだとも思いました。

糖質ゼロを疑うほどの深いコクが特徴の「パーフェクトサントリービール」

「パーフェクトサントリービール」

そして最後に「パーフェクトサントリービール」をいただきます。

「ザ・プレミアムモルツ」以降、味・キレの設計に評価が高いサントリーが、そのノウハウや知見を全て結集させて実現させたのが本銘柄とのこと。糖質ゼロにしてアルコール5.5%とした力強い飲みごたえを楽しめる一品です。

「パーフェクトサントリービール」をグラスに注ぐところ

糖質ゼロということがまるで嘘のように感じるほどのコク深い味わいである一方、雑民のないサッパリとした口あたり。後味も軽めで、全体的にはかなりオシャレな味の設計になっているように思いました。

もちろん、ペアリングすべき料理なども選ばず、どんなシーンでも美味しくいただけることでしょう。

筆者個人的には、定番ビールを除けば「サントリー生ビール」は最高傑作!

ここまで国産の市販ビール、12銘柄を飲み比べしました。長い年月の中で絶大の支持を得続ける各社のビールはもちろん美味しかったですが、特に興味深かったのがサントリーの銘柄です。

「ザ・プレミアムモルツ」で他メーカーと一線を画しつつ、さらなる独自開発を進めており、いずれの銘柄も特徴的なビールばかりでした。

特に「サントリー生ビール」は筆者個人的には「定番ビールを除けば最高傑作だ」とも思うほどのクオリティで、本記事の取材で飲んで以来、指定の銘柄になりました。

さて、ここまで読んでくださったあなたはどのビールが気になりましたでしょうか。ぜひ本記事を参考にあなたにピッタリのビールを見つけ、この暑い時期を乗り切ってください!

(うまいめし/ 松田 義人(deco))

© ぴあ朝日ネクストスコープ株式会社