ウナギのかば焼き、炭火で香ばしく 焼きたて求め列 明石・魚の棚 30日は「土用の丑」

炭火で丹念に焼き上げられるウナギ。仕上がったそばから客が買い求めた=29日午後、明石市本町1

 30日の「土用の丑の日」を前に、兵庫県明石市の魚の棚商店街にある老舗ウナギ専門店「黒谷商店」では29日、開店前から焼きたてのかば焼きを求める列ができた。店頭では愛知産のウナギが山積みに。卸売りを合わせて8千匹を炭火で焼き上げる。

 土用の丑の日にウナギを食べる風習は、江戸時代に始まったとされる。近年は稚魚シラスウナギの資源が枯渇し、価格の高騰が常態化している。

 養殖の餌代や燃料費もかさみ、同店の仕入れ値は前年比で1割上昇。店頭価格を100~200円値上げした。売れ筋は3千円台のサイズだという。

 同店の黒谷浩史社長(43)は「高級食材になり手に取ってもらいにくくなっている。ただ土用の丑だけは別。大きなサイズもよく売れる」と話す。

 明石市の主婦(64)は家族3人で食べるウナギを購入し、「以前より割高感はあるが、たまには奮発しないと」と笑顔だった。(小林良多)

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