専門家がアドバイス!「モラハラをしやすい男性」5つの特徴&付き合い方

暴言を吐かれる、友達付き合いやお金の使い方を制限されるなど、パートナーからのモラルハラスメント(モラハラ)に苦しんでいる女性は少なくありません。

長年付き合ってきて彼のことはよく知っていて、モラハラするなんて思いもよらなかったのに、結婚後にモラハラ夫になってしまった……というケースも多々あります。

将来的にモラハラ夫になる可能性があるかどうか、結婚前に見抜くことは可能なのでしょうか?

モラハラ解決相談所『Re:gene(リジェネ)』の所長、太田瑠美さんにお話を伺いました。

モラハラは誰でも加害者・被害者になりうる可能性がある

パートナーとの関係性は、お互いに愛情と思いやり、相手を尊重する気持ちを持って接することが大事なのですが、実際には『パワーゲーム』が行われていることがとても多いです。

パワーゲームとは、一言でいうと権力争いです。相手より優位に立ちたい、主導権を握りたい、支配(コントロール)したい……そういう欲求が、モラハラ行為に結びつくのです。

カップルの場合、相手に対して独占欲や執着心なども強く働いてしまうので、パワーゲームが起こりやすいといえます。

また、結婚生活においては、環境の変化などで大きなストレスに晒されたり、窮地に追い込まれるような出来事に巻き込まれたりすることがあります。

そんなときは、誰しも余裕がなくなり、身近な人に対してきつく当たってしまうこと、普段通りに接することができなくなることもあるかと思います。

そうしたことを加味すると、『モラハラは誰でも加害者、被害者になりうる可能性があるもの』ということができます。

とはいえ、モラハラをしやすい男性には、やはりいくつか特徴があります。主な例をご紹介します。

モラハラ夫になりやすい男性の特徴5つ

1: 良い面ばかりを見せようとする

他人に良い部分だけを見せたがる、見せようと振る舞う人は、実は劣等感が強く、自己肯定感が低い証拠。劣等感が強い人は、自分の弱みや欠点を布で覆うように隠して、他人に見せません。

そういう人は、他人を否定・非難し、優位に立つことで自分の価値を高めようとすることがよくあります。

2:「マイルール」が多い

「○○するべき」「○○であるべき」というマイルールが多い人は、他人にもそれを押し付けようとしがちです。

そして、自分のマイルールの通りに相手が動かないと、コントロールできないぐらいの激しい怒りを抱きます。

普段は怒りを抑えていますが、恋人など心を許した相手だと我慢ができず、ぶつけてしまいます。

3: コミュニケーション不全の家庭で育った

モラハラ夫になりやすいかどうかは、その人が生まれ育った環境がやはりとても大きく影響します。

例えば、父親がモラハラ気質の人であったり、高圧的な人だった、あるいは男女差別の意識が強い環境だった……などの場合、子どもも無意識でその考えを引き継ぐ可能性は高くなります。

彼の母親に対する態度がきつい場合も、結婚後にモラハラ夫化する確率は高いといえます。

4: 人の話を聞かない

人の話を聞かず、自分の話ばかりしたがる人は、相手の感情やニーズを無視する傾向があります。

彼との会話で聞き役が多いという場合は、「私の話も聞いて」とじっくり自分の話をする機会を持ってみましょう。話を聞く態度がまるで上の空、どうでもいいような態度をとる、話をまったく覚えてくれていない、などは注意が必要です。

5: 白か黒かはっきりしないと気が済まない

喧嘩ではどちらの言い分が正しいか決めようとする、予定が決まっていない(あるいは予定通りに進まないと)イライラする、など物事を白か黒かはっきりつけたがる人も注意が必要です。

そういう人は完璧主義な傾向が強く、細かいことにもこだわりが強いです。そして、心を許した身近な存在にも同じように要求する(押し付ける)可能性があります。

グレーゾーンや複雑さを受け入れ難く、自分の意見を押し通すことに執着します。

彼のモラハラ化を防ぐ方法は?

あなたの彼は、モラハラ夫化しやすい傾向にいくつ当てはまりましたか?

たくさん当てはまった、心当たりがある、という場合は、彼との付き合いに固執せず視野を広げて、新しい出会いに向かうという選択肢を持ってみてもいいかもしれません。

ただ、モラハラ化は止めることも可能です。彼とのコミュニケーションでは、以下の2つを意識してみましょう。

  • 彼に合わせるだけでなく、自分の気持ち(本心)を伝える
  • 彼だけに依存せず、他の楽しみを増やす(依存先を増やす)

これらを意識すると、お互いのことを尊重しながらコミュニケーションを取り合えるカップル(夫婦)に変わっていける可能性は高くなります。

モラハラ化しやすい傾向のある彼と結婚をしてしまうと、離婚するのにとてつもなく大きな労力を要することになります。

彼との付き合いに不安やストレスを感じている場合は、太田さんがお伝えしてくれたことを参考に、彼との今後の付き合い方について考えてみてください。

新しい出会いの際も、今回のお話の内容は活かせるのではないでしょうか。

【取材協力】太田瑠美(おおた るみ)

『Re:gene(リジェネ)』太田瑠美

モラハラ解決相談所『Re:gene(リジェネ)』所長。

自身もかつて夫によるモラハラに悩んでいたが、1年がかりで修復。

2015年より「同じ思いで苦しんでいる人の助けになれれば」と活動を開始。現在までに約1300件を超す相談を受け、解決に導く。その活動が、産経新聞・神戸新聞・NHKほっと関西など、全国のメディアに取り上げられ、反響を呼んでいる。

(mimot.(ミモット)/ 黄本 恵子)

© ぴあ朝日ネクストスコープ株式会社