しっかりとした食感の「煉羊羹」と、つるんと楽しい「水羊羹」。みなさんはこの違いについて考えたことはありますか?
原材料は主に、「小豆・砂糖・寒天」の3つなのに、それぞれの分量や作り方が違うことで、味わいも食感も変化します。
現在、“とらやのようかん”でおなじみの「とらや」では、東京ミッドタウン店ギャラリーにて、2023年9月6日(水)までの期間限定で、特別展 夏休み!「ようかんのカガク~小豆・砂糖・寒天~」が開催されています。
その展示の中で、こんなQ&Aがあるんです。
Q. 甘くておいしいようかん。砂糖が多ければ多いほど、甘く感じる?
A. 砂糖が多いから甘いとはかぎらないよ!
とらやでは、濃度の異なる砂糖溶液を複数用意し、常温の煉羊羹と水羊羹が、それぞれどの溶液と同じ甘さに感じるか調べるという実験が行われました。
その結果、とらやの「常温の煉羊羹」と「常温の水羊羹」をを比べた場合、砂糖の割合が多い煉羊羹よりも、砂糖が少ない水羊羹のほうが甘く感じるとわかったのだそうです。
でも、それって本当?
今回は、小学6年生の男子と、小学3年生の男子と一緒に、砂糖溶液を使う手法ではなく、実際に食べ比べてみるかたちでチャレンジしました! 子どもの素直な感想も交えて、レポート形式でご紹介します♪
夏休みの自由研究にぴったり!食べ比べレポ
今回チャレンジするのは4つの組み合わせ!
1.常温の「小形羊羹 夜の梅」と「水羊羹 小倉」
2.常温の「小形羊羹 おもかげ」と「水羊羹 黒砂糖」
3.常温の「小形羊羹 新緑」と「水羊羹 抹茶」
4.常温の「水羊羹 御膳」と冷蔵の「水羊羹 御膳」
小形羊羹は「とらや」で販売されている煉羊羹のうち、切らずに食べやすいサイズで販売されている商品です。いずれも同じ素材を使った羊羹の組み合わせです!
今回、比較をまとめるのに使った台紙は、すべて小学6年生の子どもが書いてくれました! 自由研究感増し増しです!
「甘い」と思った羊羹のほうに、それぞれシールを貼っていきます。小学6年生は赤いシール、小学3年生は緑のシール、そして筆者は黄色のシールを使用しました。
では、さっそく食べ比べてみましょう!
1.常温の「小形羊羹 夜の梅」と「水羊羹 小倉」
小豆の粒感が感じられる「小形羊羹 夜の梅」と「水羊羹 小倉」。
“夜の梅”という菓銘ですが、梅が入っているわけではなく、切り口の小豆を夜の闇に咲く梅に見立てて、この菓銘がつけられているそうです。
食べ比べた結果、満場一致で「水羊羹 小倉」のほうが甘い! という結果に! 砂糖の割合は、小形羊羹(煉羊羹)のほうが多いんです。えっ、すごい。
とらやによれば、常温で食べ比べた場合に、砂糖の割合が多い煉羊羹よりも水羊羹のほうがわずかに甘く感じられるのは、水羊羹のほうがやわらかいので口の中で広がりやすく、甘さを感じやすいためなのだそう。
たしかに常温の水羊羹は、ごく少量でも甘い味わいが口いっぱいに広がります。煉羊羹のほうはごく少量だと甘さを感じにくく、ある程度の厚みで食べるほうがより甘く感じられました。
2.常温の「小形羊羹 おもかげ」と「水羊羹 黒砂糖」
一方で、黒砂糖を原材料に用いている「小形羊羹 おもかげ」と「水羊羹 黒砂糖」を食べ比べた結果、甘さに差異がそこまで感じられない、という結果になりました。
黒砂糖自体がとても甘いので、たくさん口の中に入れてしまうと、「小形羊羹 おもかげ」の甘さとコクが際立ってしまいます。
一方で「水羊羹 黒砂糖」は、黒砂糖の甘さやコクを残しながらもつるんとした清涼感が勝ります。
恐らく口にたくさん入れたのであろう小学3年生は「完全に煉羊羹のほうが甘い!」という判断に。ごく少量を食べ比べた筆者と小学6年生は、「どっち?どっち?」と判断がつかない結果となりました。
「食べてすぐ(※ほぼ噛まない)と、水羊羹のほうが甘いけれど、噛んで味わってしまうと煉羊羹のほうが甘い」という印象です。黒砂糖、強い!
3.常温の「小形羊羹 新緑」と「水羊羹 抹茶」
続いて抹茶味! 小学生ふたりが抹茶を食べられないため、急遽筆者の夫が青シールで参戦しました。
食べ比べた結果、これまた「甘さの比較が難しい…」という結論に。
黒砂糖と同様に、少しでも口の中にたくさん入れてしまうと、煉羊羹でも抹茶の渋みや甘みが口いっぱいに広がってしまうので、違いを感じにくい、という印象でした。
実際、水羊羹は食べてすぐ口の中でなくなってしまうので、黒砂糖も抹茶も、甘みがまろやかに感じられます。一方で弾力があり、口の中に残る時間が長い煉羊羹は、羊羹の甘さはもちろん、素材の味わい、深みなどをより感じられました。
「甘さの質」が異なるので、比較しがたい…! というコメントも。
4.常温の「水羊羹 御膳」と冷蔵の「水羊羹 御膳」
最後に、常温の「水羊羹 御膳」と冷蔵の「水羊羹 御膳」を食べ比べてみました。こしあんの水羊羹です!
これは満場一致で、常温の「水羊羹 御膳」が断然甘い! という結果になりました。もちろん同じ商品なので、温度によって感じる甘さがこんなにも違うのに驚きました。
一般的に「水羊羹は冷やして食べる方がおいしい」と言われていますが、しっかりとした甘さよりも喉ごしや清涼感を求めている夏だからこそ、甘みを強く感じる常温よりも、つるっと食べられる冷蔵のほうが「おいしい」と感じられる理由なのかもしれません。
逆に水羊羹はもう少し甘いほうが好き…という方は、常温で食べてみるのもよさそうです♪
小学生に感想を聞いてみた!
最後に小学生に感想を聞いてみました。
小学6年生「なんで砂糖の量が同じなのに常温のほうが甘かったり、砂糖の量が少なくても水羊羹のほうが甘いと感じたりするのか、不思議だなあと思った」
小学3年生「あんまり甘くないのが好きなので、冷たい水羊羹が一番気に入った」
もちろん「おいしさ」は人それぞれ。甘みの「感じ方」も人それぞれです。
特別展 夏休み!「ようかんのカガク~小豆・砂糖・寒天~」では、「とらや研究室」が、もっと科学的に甘さの感じ方を調べた実験の手法が、わかりやすく展示されています。
特別展に足を運んでみなさんの目で確かめてみると同時に、ぜひ子どもの自由研究に「羊羹の甘さ比べ」にチャレンジしてみてくださいね。
※写真の小形羊羹は夏限定パッケージのものです。実際販売されているものとデザインが異なる可能性があります。
※各商品の販売状況に関しては店舗にお尋ねください。
【開催概要】
特別展 夏休み!「ようかんのカガク~小豆・砂糖・寒天~」
会期:2023年6月30日(金)~9月6日(水)
場所:とらや 東京ミッドタウン店ギャラリー
所在地:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリアB1
電話番号:03-5413-3541
※休日・営業時間はとらや 東京ミッドタウン店に準じます。最新情報はとらや公式ホームページをご確認ください。
(ハピママ*/ 伊東 ししゃも)