能登島の夜、火柱染める 向田の火祭 4年ぶり観客が松明点火

巨大な火柱となって燃え上がる大松明=29日午後9時半、七尾市能登島向田町の崎山広場

 七尾四大祭りの一つで、石川県無形民俗文化財「向田(こうだ)の火祭(ひまつり)」は29日、七尾市能登島向田町の崎山広場で行われ、4年ぶりに見物人が高さ約30メートルの大松明(たいまつ)の点火に参加し、能登島の夜を赤く染める巨大な火柱に歓声が上がった。

 同町の伊夜比咩(いやひめ)神社で神事が営まれた後、地元の園児や児童が作ったあんどんで照らされた道を、神輿(みこし)1基と大小の奉燈(ほうとう)5基が連なって進み、広場へ繰り出した。奉燈は、新型コロナウイルスの影響で担ぎ手を外部から呼ばず、例年より2基減らした。

 午後9時半ごろ、若衆らが火のついた手松明を掲げて広場を駆け巡り、合図が出ると観光客とともに中央の大松明に投げ入れ、炎が広がるのを見守った。大松明は今年の豊漁を示す海側に倒れた。

  ●祭り会館でパネル展

 七尾市和倉温泉お祭り会館で29日、向田の火祭パネル展(北國新聞社後援)が始まり、来館者は昨年の祭りの様子や大松明の準備、笛や太鼓の練習風景を写したパネル21枚に見入った。1週間ほど展示される。

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