〈北國花火〉大歓声、開放感 マスク外し「気持ちいい」

夜空を彩る花火に見入る見物客=29日午後8時5分、金沢市大豆田本町

 夜空のキャンパスに光の大輪が描かれると、会場は大歓声に包まれた。マスクを外した国内外の見物客が、光と音楽の共演に「きれい」「すごい」「おー」と思い切り声を上げた。会場は開放感に包まれ、猛暑を吹き飛ばすような盛り上がりとなった。

 昨年に続いて訪れた金沢市の大学生、中山春那さん(21)は「やっぱりマスクがないのはうれしい。声を出しながら見られるのは本当に気持ちがいい」と興奮した様子で語った。

 「金沢の花火を一度は見てみたいと思って来ました」と笑顔をのぞかせたのは、埼玉県から家族で観光に訪れた七枝静香さん(35)。打ち上げを間近に見られる椅子席を確保し「コロナ前に戻ったようでうれしい」と笑顔を見せた。

 「北國芸術花火」では、香取慎吾さん&セブンティーンの「ベッティング」をBGMに、全国の花火師による5号玉が披露された。

  ●香取さんがメッセージ 9月に個展「見に来てね」

 9月16日から金沢21世紀美術館で、北國新聞創刊130年記念事業として個展「WHO AM I」を開催する香取さんから「北國花火金沢大会を楽しんで」「個展見に来てね」と特別メッセージが寄せられた。

 金沢市大豆田(まめだ)本町の犀川緑地周辺にはテーブルやペアシートが用意された。家族4人で訪れた自営業の高谷智子さん(46)=金沢市=は「子どもが音楽に合わせて踊りながら花火を楽しんでいた。来年はテーブル席で見物したい」とほほ笑んだ。

  ●若手花火師が活躍 打ち上げの北陸火工 

 花火の打ち上げでは、北陸火工(かほく市)の若手花火師が活躍した。

 花火玉を詰める作業を担当した林桃々子さん(22)は「どんな風に花火が開くか想像しながら、玉の大きさや色、詰め方を変えるのが楽しい」と話した。

 入社3年目の髙橋瑠衣さん(25)は普段は事務として働くが、当日は点火指示を担当した。髙橋さんは「観客の大きな歓声がダイレクトに伝わってうれしかった」と話した。

  ●AIで雑踏警備

 昨年に続き、ダイワ通信(金沢市)が人工知能(AI)を活用した防犯システムで雑踏警備に協力した。今年は警備員がカメラを装着し、撮影した映像をAIが解析して不審者を検知するシステムを導入した。

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