マンホールでお好み焼き文化をPR 広島にある11のご当地お好み焼きをご存じ?

広島のソウルフード「お好み焼き」が描かれた色鮮やかな “マンホールのふた” ―。広島県内10の自治体に贈られました。

企画したのは、創業100周年を迎えたソースメーカー。

オタフクホールディングス 佐々木茂喜 社長
「実はこのマンホール企画は、一次選考で漏れたんです」

製作現場を見学したスタッフ
「すごい。できている」
「これ、何時間かかったんですか?」

県内には、地域の特色を生かしたお好み焼きがあります。

製作会社は―
「お好み焼きのデザインの違いをマンホールで表現できるんだろうかという不安も…」

きょうのテーマは、「お好み焼き文化を広めよう マンホールでご当地お好み焼きをPR」。

それぞれの地域の特色を生かしたお好み焼きが、広島県内だけで10種類以上あることをみなさん、ご存じでしょうか。このご当地お好み焼きを、マンホールのふたにデザインして、お好み焼き文化を広げようという取り組みが始まっています。

唐辛子を練り込んだ「唐麺」と地元の辛口ソースを組み合わせたご当地お好み焼き「三次唐麺焼き」です。

店を訪れた人
「辛いのが苦手な人でも三次の人ならけっこう辛麺を食べるんじゃないかなと思います」

宝来屋は、三次唐麺焼き発祥の店。道をはさんで真向かいにある江草商店の麺を使ってお好み焼きを作ったのが発端です。宝来屋は、現在も生麺を使って、毎回、ゆでて調理しています。

宝来屋 岡村順正 店主
「ほかのお店だったら、たぶん、ゆでた麺で出しているはずですね。うちでは生麺が定着したので、引き返せないというか…」

2013年、商工会議所の青年部がこの三次唐麺焼を商標登録し、ブランド化しました。翌年には、広島鉄板グランプリで優勝し、唐麺焼きは、まさに三次のソウルフードに!

現在、メニューに取り入れているのは、三次市内で26店舗、全国では48店舗になります。

宝来屋 岡村順正 店主
「いろんな人に支持していただいたのは、うれしいですよね」

商標登録からの5年間で三次唐麺焼きの広島県内への経済波及効果は11億円にも上るといいます。

三次市 福岡誠志 市長
「このマンホールが多くの人をつなぎ、多くの地域を結び、そして多くのみなさんに共感していただくものと確信をいたしております」

三次唐麺焼きを描いたマンホールが、食の施設「トレッタみよし」に設置されました。オタフクソース創業100周年記事業としてオタフクホールディングスが、お好み焼き文化を広めようと三次市に寄贈しました。

オタフクホールディングス 佐々木茂喜 社長
「今回は、このマンホール企画を通じまして、各地の点と点をつないで面にならないかなと…」

唐麺に唐辛子、そして盆地をイメージし、三次市のシンボル・巴橋がデザインされています。

デザインした 飯田真三 さん
「もう全然、書けなくて、たいへんなことを引き受けたと思ったんですけど、何枚も何十枚も書いているうちにだんだんよくなっていって…」

見学に訪れたオタフクホールディングスのスタッフたち
「失礼します。おお。すげえ」「すごい。できている」

お好み焼きマンホールを製作した広島市安佐北区の友鉄工業です。マンホールの製作では中四国でもトップクラスです。

オタフクホールディングスのスタッフ
「これ、何時間かかったんですか? 8時間…」

オタフクホールディングスが製作を依頼したのは、広島県内の11種類のご当地お好み焼きです。

オタフクホールディングス 執行役員 大内康隆 広報部長
「今回の100周年企画でこれからの笑顔を作っていくというのがコンセプトになっていますので、少しでも『なぜ?』っていうところから入っていただいて、それこそ各地を回っていただくような取り組みにつながっていけばなと」

友鉄工業 友広和照 社長
「その街の特徴であったり、その街の魅力であったり、そういったものを発信することができるというのが、もう1つのマンホールの魅力なので。これを今回、最大限発揮をする形で、各市町のお好み焼きのマンホールを作らせていただいたことは、本当にすごいことだと思っています」

今回、製作されたご当地お好み焼きです。

広島お好み焼(広島市・北広島町)
生地に材料を乗せる「重ね焼き」

呉焼き(呉市
半円形で麺は細うどん

ふわふわ納豆焼き(熊野町)
生地に山芋・卵・納豆を混ぜ込む

純米吟醸たけはら焼(竹原市)
生地に純米吟醸の酒かす

三原焼き(三原市)
新鮮な鶏モツを入れる

尾道焼き(尾道市)
イカ天・ゆで麺をベースに砂ズリ

因島村上海賊焼き(尾道市)
タコなど海産物を入れる

備後府中焼き(府中市)
豚バラの代わりに牛や豚のミンチ肉

三次唐麺焼き(三次市)
唐辛子を練り込んだ唐麺と辛口ソース

このマンホール企画は、1000以上の企画案が出た100周年企画の中で一度は落選しましたが、役員選考で復活したそうです。

オタフクホールディングス 佐々木茂喜 社長
「広島県内だけでも10種類以上のお好み焼きがあります。それを核にご当地メニューとして各地の盛り上がり、それがまた観光資源になって、地域の活性化につながればと思っています」

中根夕希 キャスター
『ご当地お好み焼マンホール』の設置場所です。10の市町ですが、尾道市は尾道焼きと因島村上海賊焼きの2つあるので、11か所となっています。

9月には安芸高田市のあきたかた焼きのマンホールも製作される予定です。どんなデザインができあがるか、楽しみですね。

青山高治 キャスター
だから9月になると全部で12のマンホールになる? コレクター欲がそそられるというか…

コメンテーター 平尾順平 さん(ひろしまジン大学 代表理事)
12ということは、月に1回、食べに行って、コンプリートできるわけじゃないですか、1年間で。

青山高治 キャスター
マンホールを探す。写真に撮る。そこでお好み焼きを食べるというのが、1つのプランとしていいですね。

平尾順平 さん
もちろん、お好み焼きは広島のソウルフードですけども、(広島市安佐北区)可部の人間としては、可部が誇る友鉄工業さんが中国地方の製鉄の流れをくんで、マンホールや製鉄の事業が広島にあるので、そこと組まれて、こうやってできているというのは熱くなるものがあります。

青山高治 キャスター
クオリティーが高いですね。

小林康秀 キャスター
色合いもカラフルですし、この色合いを出すのも本当、友鉄工業の技術なのだそうです。あとは、やっぱり全国的にもマンホールが好きだという方がけっこういらっしゃって、「マンホールカード」を発行している市町もあって、「マンホーラ―」が広島を訪れるわけですよ。

中根夕希 キャスター
オタフクホールディングスでは、このマンホール企画を広島から全国、そして海外にも展開していきたいということです。8月1日からはマンホールスタンプを集めるとオタフク商品などが当たるスタンプラリーも実施されるということです。

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