女子ゴルフ・櫻井心那 ツアー初優勝の快挙振り返る 長崎の大会「優勝したい」【インタビュー】

豪快なドライバーショットを披露する櫻井=長崎市、パサージュ琴海アイランドGC

 今月初旬に行われた女子プロゴルフの資生堂レディースで、長崎日大高出身の櫻井心那がツアー初優勝を飾った。県内出身者の女子ツアー優勝は30年ぶり。デビュー2年目の19歳に快挙を振り返ってもらい、8年ぶりに県内で開催される第56回日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯(9月7~10日・パサージュ琴海アイランドGC)への意気込みを聞いた。

-ツアー初優勝、おめでとうございます。
 ありがとうございます。2日目まで上位にいなかったけれど、3日目に首位と1打差まで迫って「これは優勝するしかないな」と。ボギー先行でも自分の流れを待つことが大事だと、昨年の優勝争い(ステップアップツアーで歴代最多5勝)の中で学んだ。結果的に最後の2日間で八つスコアを伸ばせた。プレーオフはずっとドキドキしていたけれど、感情が表に出ないように平常心を意識した。

-優勝の反響は。
 メッセージが300件くらい届いてビックリした。次の週のツアーでもプロの先輩方からありがたい言葉をいただいた。インスタグラムのフォロワーは一気に2500人くらい増えた。

-優勝インタビューで家族への感謝を語った。
 母がずっとツアーに付きっきりでサポートしてくれている。ホテルに電子ジャーを持ってきて、朝から梅干し入りのおにぎりを握って。ラウンド中に毎日食べて、元気をもらっている。父は事務的なことを、兄は応援団を。優勝した日はみんな感動してくれた。

-高卒プロ一発合格、1年目はステップアップツアー5勝、2年目の今季も順調に来ている。
 今季は開幕から2戦続けて予選落ち。すごく焦ったし、これが毎週続くのかとストレスを感じた。それでも、一度予選を通過すると慣れてきた感覚があって、去年みたいなマインドでプレーできるようになった。常に自分は下手だなと思ってやっている。だからこそ、毎日課題を持って練習できているというのはある。

-海外で活躍するのが夢だと公言している。
 まだアメリカで戦えるような技術はないので、日本ツアーでそこを磨いて、自信がついた時に挑戦したい。できれば若いうちに、2年後くらいにと思っている。

-飛距離が魅力。資生堂レディースのプレーオフでは284ヤードのビッグドライブを披露した。
 もともと飛ぶ方で、特別なトレーニングをしたとかはないけれど、最近はもっと飛ぶようになった。当たりが厚くなったのと、温かくなってきて振れるようになったのも理由だと思う。

-今年の日本女子プロゴルフ選手権はパサージュ琴海アイランドGCで行われる。長崎日大高時代に練習していた「本拠地」とも言える場所。
 プロになる時から意識してきた大会。特別な思いがある。昨年も今年も、まずはこの大会に出られるようにとやってきた。今、一番目標にしている大会。ここで優勝するというのは、去年から決めている。出るからには優勝したい。

-コースの印象を。
 格式高くきれいなコース。グリーンが速くなると、とてつもなく難しい。コースがある程度頭に入っているのは強み。メジャーなのでセッティングが難しくなって別物になると思うけれど、欲張らずにいい意味で気合を入れ過ぎないようにやりたい。

-長崎にトッププロが集まる貴重な機会。
 私自身も2015年に長崎で初開催された際に観戦して、イ・ボミ選手(韓国)を目の前で見てキラキラした世界だなと憧れた。今回、初めてツアーを見るというジュニアゴルファーに、ぜひ華やかな世界を体験してもらいたい。私も夢を与えられるような格好いいプレーをと楽しみにしている。

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【略歴】さくらい・ここな 長崎市出身。山里中3年時に全国中学選手権4位、長崎日大高3年時に全国高校選手権で県勢として初優勝した。プロテストに一発合格した後、昨年はステップアップツアーで歴代最多5勝を挙げて賞金ランキング1位。JLPGAツアー(レギュラーツアー)に参戦した今季、18戦目の資生堂レディースでツアー初優勝した。「心那」には「心が穏やかな人に」という願いが込められている。身長166センチ。19歳。


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