千葉県産梨「最高の一品」競う 味自慢コンテスト 「幸水」120点審査、結果発表 イオン津田沼

専用の機械で梨の糖度を計測する審査員ら=29日午前10時ごろ、習志野市のイオンモール津田沼

 千葉県産梨から最高の一品を決める「千葉なし味自慢コンテスト」が29日、習志野市のイオンモール津田沼で始まった。県内17市町から集まった生産者自慢の「幸水」120点を専門家らが審査した。きょう30日は審査結果の発表と出品された梨の販売を実施。コンテストを通じ、産出額全国1位を誇る県産梨の品質向上やさらなる消費拡大を図る。

 県生産振興課によると、千葉県の梨は生産量と産出額、栽培面積いずれも全国1位(2021年時点)。江戸時代に栽培が始まったこともあり、長年培われた技術で消費者や市場から高い評価を得ている。市町村ごとの栽培面積は白井市が最大で、市川市、鎌ケ谷市、船橋市と続く。

 コンテストは県などが毎年開催しており今回で48回目を迎えた。今年の審査対象品種は幸水で、酸味が少なくシャリシャリとした食感で人気の高い千葉県の主力品種。春の開花時期に気温が高かった影響で実がつき始めるのが早く、例年より1週間~10日早い収穫となった。

 この日は店内通路の一角に、丸く実った大玉が詰められた箱が所狭しと並び、研究や流通に携わる梨の専門家9人が、大きさや見た目、糖度、味、食感などを審査した。糖度計測の際は、「高い」「今年は甘いぞ」と驚嘆の言葉が飛び交っていた。平均糖度は13.6と、前回の幸水が対象となった2021年(12.7)を大きく上回った。

 今年の作柄について、審査員を務めた県農林総合研究センター果樹研究室の押田正義室長は、「大きさは平年並みだが、天候に恵まれ糖度が高い。どれも素晴らしく、なかなか選べない」と評価した。

 30日は午前11時からの式で、最上位に当たる農林水産大臣賞など審査結果を発表する。入賞29品は式の出席者限定で抽選販売する。他の出品は午後1時からの即売会に出される。

© 株式会社千葉日報社