樹木医らが調査 被爆クスノキ「樹勢保つ」 長崎西高などの47本対象

被爆クスノキの空洞などを調査する樹木医ら=長崎市、長崎西高

 長崎原爆の爆心地から約800メートル地点にあった旧制瓊浦中(長崎市竹の久保町、現・県立長崎西高)の被爆クスノキの調査が27日あり、樹木医らが樹勢などを確認した。
 市が2017年から日本樹木医会県支部の協力を得て実施している「樹木パトロール」。本年度は今月21日から、市の被爆建造物等の取扱基準で保存対象のA、Bランクの樹木47本を調査した。
 瓊浦中のクスノキ3本は樹齢推定100年以上。高さ約16~18メートル、幹回り約3.19~3.48メートル。被爆当時、枝葉が飛ばされ、幹が傷つくなどの被害を受け、市の基準でBランクに指定されている。
 調査責任者を務めた樹木医の久保田健一さん(56)ら4人が倒木のリスクを調べるため、音響波を出す特殊機械を使い、クスノキの空洞や内部の腐食の有無を詳しく検査。2018年の前回調査時、3本のうち1本の空洞率が42%だったが、今回もほぼ同じ結果だった。久保田さんは「樹勢は保っている。これからも見守っていきたい」と話した。

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