4年ぶり南郷ジャズフェス 山下洋輔さん、類家心平さん(八戸出身)ら1300人魅了/青森

来場者を魅了した八戸出身のトランペット奏者類家心平さん(右)と山下洋輔さん
4年ぶりのジャズフェスを心待ちにしていたファンらが集まった会場

 青森県八戸市南郷地区の夏の風物詩「第31回南郷サマージャズフェスティバル」が29日、カッコーの森エコーランド野外ステージで開かれた。新型コロナウイルスの影響で開催は4年ぶり。同日の八戸は今季初の猛暑日となり、山下洋輔さんやMALTA(マルタ)さん、地元八戸市出身の類家心平さんら出演者と来場者約1300人(主催者発表)が一体となって暑い夏を盛り上げた。

 午後0時半のオープニングには、スウィングベリージャズオーケストラ、中沢中学校ジャズバンド部、馬場葉子トリオの地元の演奏者が出演。日が傾く頃、サックス奏者のMALTAさんがステージに登場し、「南郷はいい。生き返った気持ちになる」と15年ぶりの参加を喜んだ。

 最後の出演者は、日本を代表するジャズピアニストの山下さん、トランペット奏者の類家さんらによる「山下洋輔スペシャルカルテット」。会場が暗闇に包まれる中、類家さんは圧巻の演奏を披露し、来場者は盛大な拍手を送った。

 八戸市の松田俊之さん、美智子さん夫妻は「自然豊かな中で一流の音楽を聞けて幸せ。音楽が持つ力を感じられた。地元の類家さんを誇りに思う」と満足した様子。出演した中沢中3年の若宮心愛(ここな)さんは「緊張したが、楽しんで演奏できた」と話した。実行委員会の壬生八十博会長は「(南郷ジャスフェスを)待ちに待った人が多く訪れ、地元のバンドもレベルが高くなった。次回以降、ジャズファンが増えるようなさらに素晴らしい演奏を披露したい」と意欲を語った。

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