弘前ねぷた、制作大詰め 8月1日開幕

弘前ねぷたまつりの合同運行に向け急ピッチで作業を進める有志団体「ねぷた処たつ屋」のメンバーたち=29日午後、弘前市山王町

 弘前の夏を彩る弘前ねぷたまつり開始まであと2日。合同運行には昨年より18団体多い64団体が出陣予定。まつり本番に向け、ねぷた制作が大詰めを迎えている。

 「1からねぷたを手作りするのが一番楽しいんだよ」。29日夜、弘前市山王町のねぷた小屋で、今年新しく参加する有志団体「ねぷた処たつ屋」のメンバー約10人が太鼓の台座への取り付けや見送り絵の張り付けに当たった。

 会員は現在約20人。もとは「城南ねぷた愛好会」としてねぷたを運行していたが、町内の人口減の影響で、2017年を最後に約40年間続けてきた運行を取りやめた。

 会員だった大西達也さん(52)、三上春明さん(50)らはまたねぷたを作りたい-と新型コロナの動向などを注視しながら再開を模索してきた。「悩んでいても始まらない。勢いで作っちゃおう」との2人の呼びかけにほかのメンバーらが応えた。

 6年ぶりの復活で弘前ねぷたには欠かせない子どもたちの笑顔も戻ってきた。紙張りを手伝った外崎礼凰(れお)君(7)は「早く太鼓をたたきたい。将来は弘前ねぷたを引っ張る存在になる」と目を輝かせた。

 今年制作のねぷたは、高さ3.6メートル、幅3.9メートルで、鏡絵は「九紋龍(くもんりゅう)奮戦の図」、見送り絵は「徐氏」。6年ぶりに筆を執った大西さんは「事故やけががないようにし自分たちのねぷたを楽しみたい。弘前ねぷたは301年を迎えたが400年目まで頑張りたい」と笑った。

© 株式会社東奥日報社