「サウジアラビアは市場を変えた」マフレズを引き抜かれたシティ、グアルディオラ監督が見解を語る「将来、より多くのことが起こる」

[写真:©︎CWS Brains, LTD.]

マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督が、今夏の移籍市場について言及。脅威となりつつあるサウジアラビアについて語った。イギリス『BBC』が伝えた。

現在はアジアツアー中のシティ。日本では、横浜F・マリノス、バイエルンと2試合を行い、現在は韓国に滞在中。20日にはアトレティコ・マドリーと対戦する予定となっている。

プレミアリーグ3連覇、トレブル(3冠)を達成したチームとして、日本でも韓国でも大人気のシティ。その強さは世界一とも言われている一方で、脅威を感じさせているのがサウジアラビアだ。

昨年12月にポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドがアル・ナスルに加入。スター選手は1人しかいない状況だったが、今夏の移籍市場では従来から持ち合わせる豊富な資金を惜しみなく投資。ヨーロッパのスター選手に次々声をかけている。

インテル・マイアミへと移籍したアルゼンチン代表FWリオネル・メッシやレアル・マドリーと契約を延長したクロアチア代表MFルカ・モドリッチ、パリ・サンジェルマン(PSG)からの退団も噂されるフランス代表FWキリアン・ムバッペなど、現代サッカーでトップ・オプ・トップに位置する選手にも声をかけているが、多くは拒否されている。

一方で、政府系ファンドの「PIF」が買収した4クラブは積極的に補強し、アル・ナスルはインテルのクロアチア代表MFマルセロ・ブロゾビッチ、RCランスのコートジボワール代表MFセコ・フォファナ、マンチェスター・ユナイテッドのブラジル人DFアレックス・テレスを獲得。現在は、バイエルンのセネガル代表FWサディオ・マネの獲得に近づいている。

また、2021年のアジア王者でもあるアル・ヒラルは、ウォルバーハンプトンのポルトガル代表MFルベン・ネヴェスを皮切りに、ラツィオのセルビア代表MFセルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチ、チェルシーのセネガル代表DFカリドゥ・クリバリ、ゼニトのブラジル代表FWマウコム。ムバッペにオファーを出している張本人だ。

アル・イテハドはマドリーから元フランス代表FWカリム・ベンゼマ、チェルシーからフランス代表MFエンゴロ・カンテ、セルティックのFWジョタを獲得。現在はリバプールのブラジル代表MFファビーニョの加入が近づいている。

アル・アハリはシティのアルジェリア代表MFリヤド・マフレズを獲得。リバプールからブラジル代表FWロベルト・フィルミノ、チェルシーのセネガル代表GKエドゥアール・メンディを獲得。ザルツブルクからはマティアス・ヤイスレ監督を引き抜いている。

その他にも、イングランド代表MFジョーダン・ヘンダーソンは、スティーブン・ジェラード監督が就任したアル・イテファクに移籍するなど、一気にヨーロッパの一線でプレーしていた選手たちが集結したサウジ・プロリーグ。グアルディオラ監督は、彼らが市場を変え、今後もそれは続くと予想した。

「サウジアラビアは市場を変えた」

「数カ月前、クリスティアーノが唯一の選手だったが、これほど多くのトップ選手がサウジアラビアのリーグでプレーするとは誰も予想していなかった」

「将来的にはさらに多くのことが起こるだろうし、だからこそ、クラブは何が起こっているのかを認識する必要がある」

「リヤドは信じられないようなオファーをもらった。『やめておけ』とは言えなかった」

実際に選手を引き抜かれる経験もしたグアルディオラ監督。これからもリーグとしては成長する一方で、プレミアリーグから多くの選手が流出することも、リーグのレベルの高さ故だろうと語った。

「これは脅威という問題ではなく、現実だ。彼らは強いリーグを作りたいと思っており、今のところそれができるリーグだ」

「プレミアリーグは他のリーグよりも多く選手を手放した。プレミアリーグの組織が、他のリーグより優れており、放送やスポンサーの数も他のリーグより多いため、クラブは持てるものを消費できる」

「現時点ではサウジのリーグがどれぐらい続くかはわからないが、生き残り続けるだろうという感触はある。選手たちはこの経験を活かし、そのリーグでプレーしたいと考えており、それが可能となった」

© 株式会社シーソーゲーム