犬に『帽子』は必要なの？
最近のペットショップでは「犬用の帽子」が店頭に並ぶことも多くなってきました。
商品として販売されてる帽子を目にしたり、街中で帽子を被って散歩している犬とすれ違うと、（うちの犬にも帽子を被せたほうが良いのかしら？）と思い始めた飼い主さんもいるのではないでしょうか。
結論をいいますと、帽子は犬にとって絶対に必要な物ではありません。
リードや首輪などの必需品と違って、帽子は犬に被らせても被らせなくてもどちらでも大丈夫です。
なお、「必需品じゃない帽子をわざわざ被らせるなんて！犬は着せ替え人形じゃない！」と感じる方もいるかもしれませんが、犬が帽子を被ることには多少なりともメリットもあるのです。
もちろんメリットだけでなくデメリットもありますので、順番にご紹介しましょう。
犬に『帽子』を被らせるメリット・デメリットとは
では、犬に帽子を被らせるメリットやデメリットにはどのようなことが該当するのでしょうか。
犬に『帽子』を被らせるメリット
犬に帽子を被せると次のようなメリットがあります。
- 日差しや紫外線対策になる
- 怪我の防止になる
- 頭に汚れや寄生虫がつくのを防ぐ
- 寒さ対策になる
- おしゃれになる
犬の帽子の主な役割は、犬の目や頭を守ることです。夏は強い日差しから犬の頭を守り、熱中症になるリスクを減らすことができます。白内障の原因となる紫外線から目を守る効果も期待できるでしょう。
散歩の時に藪や草むらに入る犬は枝で怪我をしやすいですが、帽子を被っていれば頭や目を傷つける心配がありません。汚れや寄生虫がつくのを防ぐことも可能です。冬の時期は犬を寒さから守る効果もあります。
「おしゃれになる」は犬ではなく飼い主側のメリットですが、おしゃれな帽子を被った愛犬とお出かけするのは想像するだけでも楽しいですよね。
犬に『帽子』を被らせるデメリット
続いて、犬に「帽子」を被らせるデメリットをご紹介しましょう。
犬に帽子を被らせると次のようなデメリットがあります。
- 慣れていない犬にはストレスになる
- 素材によっては熱中症のリスクが高くなる
- サイズが合っていないと犬の視界が悪くなる
嫌がっている犬に無理やり帽子を被せてしまうと、ストレスの原因になってしまいます。愛犬に帽子を被せたい場合は子犬の頃から慣らしたり、短時間から練習して様子をみてみましょう。どうしても嫌がる場合は、潔く諦めることをおすすめします。
また、真夏にニット帽を被せて散歩させてしまうと、犬が熱中症になる恐れがあります。犬の帽子はおしゃれ度を優先させず、時期によって素材を変えるようにしてください。
愛犬に合ったサイズの帽子を選んで、犬の視界の邪魔にならないようにすることも大切です。
夏場の上手な犬用『帽子』の活用方法
犬の帽子が最も活躍するのは、日差しが厳しくなる夏です。夏は通気性の良いメッシュ素材の帽子や、麦わら帽子がおすすめですよ。散歩の時に愛犬に被せておけば、直射日光や紫外線から頭や目を守ってくれるでしょう。
もちろん帽子を被らせてたとしても、夏の昼間に犬を散歩させるのは道路からの照り返しも強く、犬にとってはとても危険ですのでおすすめできません。早朝か夕方以降、気温や地面の温度が熱くないかを確かめながら行くようにしてください。
散歩以外なら、海や山へお出かけする際にも帽子は活躍してくれます。熱中症には十分気を付けながら、アウトドアを愛犬と楽しみましょう♪
まとめ
犬の帽子はオシャレを楽しみたい時や、日差しや怪我が心配な時に念のために利用するもの。「帽子を被れば熱中症にならない」という訳ではないので、飼い主が必要性を感じなければ被らせなくてOKですし、愛犬が帽子を嫌がる場合は被せてはいけません。
もし帽子を被らせる時は、サイズや素材を確かめながら愛犬に合った物を選んであげてくださいね。
(獣医師監修：平松育子)
