富山商ナイン始動、いざ甲子園 「やってきたこと発揮する」

甲子園に向けてコンディションの調整に励む富山商ナイン=同校

 6日開幕の夏の甲子園に出場する富山商ナインは30日、同校で練習し、大会に向けて動き出した。富山県大会の優勝から一夜明け、エースの上田海翔主将(3年)は「夢見てきた舞台に立てる喜びと緊張がある。場所は変わるが、今までやってきたことを甲子園でも発揮したい」と気持ち新たに聖地を見据えた。

 前日の県大会決勝に出場した選手たちは調整のため練習場で20分間走やストレッチ、体幹トレーニングなどをこなし、時折、リラックスした表情を見せた。

 上田主将は173球で完投した決勝について「思ったより疲れはない」と明るい表情。ただ、四球の多さを反省し「甲子園レベルでは四球一つで流れが変わる」と気を引き締めた。

  ●奥川投手に憧れ

 持ち味は最速141キロの直球と得意のスライダーとのコンビネーション。ヤクルトの奥川恭伸投手(かほく市出身、星稜高OB)に憧れ「ずっと目標。奥川選手のスライダーに近づきたい」と力を込める。2019年の夏の甲子園で準優勝し、マウンドで輝きを放った星稜のエースのように聖地で躍動するイメージを膨らませている。目標の4強へ「泥臭く、1戦1戦勝ちきりたい」と意気込んだ。

 同校の夏の甲子園出場は、エース森田駿哉選手(現Honda鈴鹿)を擁して16強入りした2014年以来。前﨑秀和監督は「投手力は9年前の方が上だろうが、逆境をはね返す力は今の子の方が持っている」とみる。

 開幕までの時間に追われる中、「選手のコンディションを上げるのが最優先。今持つ力でどうやって勝つための糸口をつかむか。(初戦までに)日程的な余裕がほしい」と話した。

 全国高校野球選手権大会は8月3日に組み合わせ抽選会が開かれる。

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