佐藤病院がV11達成 県社会人軟式野球

〈公徳会佐藤病院-ビーチボーイズ〉4回表佐藤病院2死一、三塁、4番伊藤信弥(左)が右越え2点適時三塁打を放ち4-1とする。果敢に本塁を狙いアウトになるも、仲間の祝福を受けた=米沢市営野球場

 山形新聞、山形放送の金獅子旗を懸けた第93回県社会人軟式野球大会(山形新聞、山形放送、県野球連盟主催)兼天皇賜杯全日本軟式野球大会県予選会は最終日の30日、米沢市営野球場で準決勝と決勝を行い、公徳会佐藤病院が11年連続13度目の栄冠を手にした。香川県で9月15~20日に開催される全国大会に本県代表として出場する。

 準決勝ではビーチボーイズがロッキーズに3―0で勝ち、公徳会佐藤病院は西東北日野自動車B・Cを10―3の七回コールドで下してそれぞれ決勝に進んだ。

 両チームによる決勝は4年連続。佐藤病院は相手の不安定な立ち上がりを突いて先制した。四回には4番伊藤信弥の2点適時三塁打などで突き放し、清水駿、丹野拓海の継投リレーで相手を寄せ付けなかった。ビーチボーイズは投手陣が打ち込まれ、7安打を放ったものの、つながりを欠いた。

 最優秀選手賞には佐藤病院の村上淳哉外野手が選ばれた。

4番の一振り、流れ呼ぶ

 4番の一振りが公徳会佐藤病院に流れを呼び込んだ。伊藤信弥が四回に放った右越え2点適時三塁打。守備の隙を突いて本塁に突入するもタッチアウトとなったが、積極的な姿勢にベンチは沸き立ち、チームに勢いをもたらした。殊勲者は「中軸としての仕事ができた」と白い歯をのぞかせた。

 先行したものの1点返され、2―1で迎えた場面だった。2死一、三塁。打席に向かいつつ、「投手を助けるためにも、絶対に自分が打つ」。決意を固めた。これまでの相手投手との対戦から、「変化球を繰り出す」と想定して狙い球を定めた。逆方向を意識したスイングで右方向へと運んだ。

 一、三走が生還する中、自身も本塁を狙った。アウトとなったが、選手で三塁コーチャーも務める大泉真央監督は「チャンスによくぞ打ってくれた」とたたえつつ、「本塁前では足がもつれていた。もっとランメニューを取り入れようかな」と笑った。

 ビーチボーイズとの4年連続の頂上決戦を制し、舞台はいよいよ全国へ。県予選で存在感を放った主砲は「チームの顔として力を尽くす。これから、全国でも通用する打者としても成長していきたい」と意欲をにじませた。

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