124年前の新駅開業関連の行政文書を解説 京都・南丹で地元の歴史学ぶ勉強会

旧八木小で見つかった史料について説明する犬持雅哉学芸員(京都府南丹市八木町・市八木市民センター)

 京都府の旧八木村(現南丹市八木町)の歴史を学ぶ勉強会が、同市八木町の市八木市民センターで開かれた。市立文化博物館の犬持雅哉学芸員が講師を務め、参加者は近世から近代の史料をもとに、地元の歴史について理解を深めた。

 犬持学芸員は、小学校の再編に伴う調査で2015年に旧八木小で発見された史料を紹介。江戸後期から昭和にかけての文書や絵図など123点からなる史料で、1899年の八木駅開業に伴う周辺地域の道路建設に関する行政文書の内容を解説した。

 当時の八木村役場は道路建設に関する協議会を設置し、町から駅への路線を八つの候補の中から一度は選んだが、利便性や駅の位置が変更になる可能性から当初案は不採用となった。その後も候補路線が二転三転し、反対運動も起こるなど「地域が混乱していた様子がうかがえる」とした。

 同町は1960年の集中豪雨で多くの史料が消失したが、「周辺地域の文書などを組み合わせれば、鉄道開通時の町の変化がより詳しく分かる可能性がある」と話した。

 勉強会は住民グループ「八木町南地区大堰塾」が22日に主催。地元住民ら約50人が聞いた。

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