アライグマや空き家など 佐賀市の生活環境苦情件数1.4倍に アライグマ捕獲、前年上回るペース

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 佐賀市環境審議会(会長・岡島俊哉佐賀大教育学部教授、16人)が31日、市内で開かれた。佐賀市の市街地で急増している特定外来生物アライグマや空き家などに関する苦情(生活環境苦情)件数が増加し、2022年度は前年度比約1.4倍の659件だったことなどが報告された。昨年度142頭だったアライグマの捕獲頭数は、既に7月末現在で107頭になったといい、前年を上回るペースで推移している。

 市環境政策課によると、アライグマ関連の苦情件数は「天井裏にいる」など201件で前年度から68件増えた。捕獲に関し、委員から「実家の落花生が2年連続で全滅したため、わなを仕掛け10頭捕獲した。ただアライグマは頭が良く、今年になって全く捕まらない」と訴える声も上がった。

 市では、市民からの苦情や情報提供などを受けてわなを仕掛ける「対処型」から、生息状況の調査に基づいて生息域と推定されるところにわなを仕掛ける取り組みを進めている。

 空き家に関するものは「雑草が繁茂している」「管理者が分からない」など343件あった。

 生活環境苦情件数は、第2次市環境基本計画の成果指標の一つとなっており、最終年度の2024年度の目標値は300件。苦情件数が増えていることに関しては「必ずしも苦情や相談が少ないことが良いことではない。困っている状況を市に寄せてもらえる環境も大切で、こうした声を対策につなげていきたい」とする。(川﨑久美子)

アライグマや空き家に関する苦情の状況などが報告された佐賀市環境審議会=佐賀市高木瀬町の市清掃工場

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